依存したら大変!! 睡眠薬と睡眠導入剤の効果と注意点

依存したら大変!! 睡眠薬と睡眠導入剤の効果と注意点

睡眠薬や睡眠導入剤は、うつ病に限らず自然に眠ることが困難な人に対して十分な睡眠をもたらすことができる薬です。しかし初めて服用する場合には不安を持つ人も少なくないでしょう。うつ病になると不眠がどうしても付きまといますから、睡眠薬に関して正しい知識を持ち合わせておきたいものです。

1.睡眠薬の種類

睡眠薬はバルビツール系、ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系など5種類に分けられますが、安全性や効果などから現在多く処方されているのはベンゾジアゼピン系です。

多くの睡眠薬がありますが、効き目の強さというよりも効き目が持続する時間の長短によって処方が変わります。

効き目の持続時間によって4つの種類に分類され、持続時間が短い薬は入眠障害、朝かなり早い時間に目が覚めてしまう早朝覚醒の人には持続時間が中程度、それにうつ病で日中不安感が強いという人には起床後も作用が残る長時間持続型の睡眠薬が使用されます。

2.睡眠薬の効果

うつ病の場合、眠れないことで不安感やイライラ、焦燥感などが高まり、精神的に一層追い込まれることになります。睡眠薬を効果的に利用することで十分な睡眠を確保し、気持ちをスッキリさせることができます。現在広く処方されている睡眠薬は効果が高いだけではなく、安全性の点からも安心して利用することができます。

3.睡眠薬の注意点

睡眠薬を服用している場合に最も注意したいことのひとつが、筋弛緩作用というものです。特に長時間作用が続く睡眠薬の場合に起こりやすいとされている症状で、目覚めて起き上がろうとすると下半身などの筋肉に力が入らず、ふらついたり転倒するなどの危険があります。

服薬後は、あまり体を動かさず、すぐに電気を消して布団に入るようにしましょう。

また、睡眠薬は依存性が高い薬ですので、睡眠薬を長期的に使用している人が睡眠薬を止める場合には急に中断せずに、必ず医師と相談するようにしましょう。

例えば健常な人が眠れない時にお酒を飲むことがありますが、これは眠りが浅くなったり夜中に何度もトイレに行きたくなるなど眠りの質を下げるため逆効果であり、同じようなことが睡眠薬にもいえます。

睡眠薬による睡眠はあくまでも不眠の症状を改善させるための措置であり、同じ時間眠るなら睡眠薬なしの方が健全であり、身体にかかる負担を考えても睡眠薬による入眠は睡眠の質が低下してしまう面は否めません。

睡眠薬に頼るだけではなく、規則正しい生活を心掛ける、運動などで心地よい疲労感を得るなどの自然な睡眠への導入を工夫することがうつ病治療の意味でも大切になってきます。

(執筆:結城, 監修:臨床心理士 鏡元)

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