眠りたいのに、眠らなきゃいけないのに、眠れない! そんな思いを抱え、布団に入ったまま時間が経っていくと、時計が気になってしまったり「明日に疲れが残ってしまうのでは……」と考えはじめたり、ますます焦りは募るばかり。
特に、朝から忙しかった日や多くの仕事・作業をこなした日など、疲れていて早く眠りたい日ほど、うまく寝付けない焦りがさらなる寝付きの悪さを招いてしまうことがあります。どんなときにもすんなりと眠りに落ちていくためには、いくつかの段階を踏むことが大切です。
◆身体を温める
まず、必要不可欠な要素として「血行をうながす」ことがあります。例えば小さな子どもは、眠気に襲われると手足が暖かくなりますよね。そのような手足の熱放出は、スムーズな睡眠に欠かせない働きです。
眠る前の入浴は血行促進に役立つため、時間に余裕がある場合は半身浴などをしてゆっくりと身体を温めることで眠りにつきやすくなります。時間に余裕がない場合でも、眠る前にシャワーを浴びることが大きな効果をもたらします。
また、ホットミルクなど温かい飲み物を飲むことでも手軽に身体を温めることができます。ただし、コーヒー、紅茶、緑茶などはカフェインが強いため逆効果に。アルコールは少量なら問題ありませんが、依存的にならないよう注意が必要です。
◆「温かい」とイメージしていく
それでもうまく寝付けないときは「手足が重くなっていく、温かくなっていく……」というイメージを抱くことも大切。
「イメージを抱く」と言われてもうまくできず戸惑うかもしれませんが、この手法は「自律訓練法」と呼ばれ、自律神経失調症をはじめとした多くの精神疾患を緩和させる効果のある、ドイツ発症のリラクゼーションです。
目を閉じて「呼吸が深くなっていく、落ち着いていく、手足が温かくなっていく……」と自己催眠をかけることで、質の良い睡眠やリラックスを呼び寄せることができるようになるのです。
人によってはうまく出来るようになるまでに日数を重ねる場合もありますが、一度体得すると強いストレスを感じたときや、緊張感を伴う多くの場面でも役に立つはず。
◆そもそも基本は……?
よりよい睡眠のためのなによりの基本は「暗く静かな部屋で呼吸を落ち着かせる」ことです。子どもの頃からライトを灯したまま眠ることが習慣づいている人もいるかもしれませんが、寝付きの悪いときにはとにかく光源を消していきましょう。
もちろん、スマホを触っても光を浴びることになる上、目や手を使って文字や画像を読む作業は脳の覚醒を促してしまいます。スマホが手の届く場所にあるだけで、惰性的にいじってしまう、時間が気になって仕方なくなるなどますます眠れなくならないよう、なるべく手の届かないところに置くようにしましょう。
眠れないときに最も悪い影響を及ぼすのは「眠らないと!」という強い焦りです。上記の項目をすべてクリアしたら、呼吸や熱に集中して、焦らずに向き合うことが質の良い睡眠に不可欠でしょう。