境界性パーソナリティ障害を描いた映画『17歳のカルテ』をご紹介!

境界性パーソナリティ障害を描いた映画『17歳のカルテ』をご紹介!
境界性パーソナリティ障害と映画

1999年のアメリカ映画『17歳のカルテ』。

主演は『シザーハンズ』や『若草物語』でも好演し、絶大な人気を誇るウィノナ・ライダー。

監督は『コップランド』『君に逢いたくて』のジェームズ・マンゴールドです。

2000年には日本でも公開され、注目を集めました。

そこで今回は『17歳のカルテ』をご紹介!

境界性パーソナリティ障害の症状と克服を描いた 『17歳のカルテ』 、ぜひご覧になってください!(^^)/

精神科病棟に居場所を見つけた少女

舞台は1960年代のアメリカ。

主人公スザンナは、ハイスクールを卒業する頃から荒れた生活を送っていました。

ほかの同窓生のように大学に進学するわけでもなく、適当な相手とセックスしたり反社会的な行動を続けたりする日々。

スザンナには両親の態度が無理解で偽善的なものにしか思えませんでした。

ある日スザンナは大量に薬物を服用して自殺未遂を起こし、精神科病棟に収容されます。

そこではじめて『境界性パーソナリティ障害』と診断されました。

その診断にも精神科病棟の雰囲気にも戸惑うスザンナ。

気持ちが不安定になってしまいます。

親身に世話をしてくれる看護スタッフを試すように性的に誘惑したり真夜中に乱痴気騒ぎを起こしたりさまざまなトラブルを引き起こしました。

ところがスザンナは、次第に一人の少女に惹かれていきます。

病棟のボス的存在であるリサです。

精神疾患であることを誇るようなリサの態度にスザンナは惹かれていきました。

リサに惹かれたスザンナは、精神科病棟に自分の居場所を見つけます。

社外復帰を目指して退院していく少女

リサの存在によって精神科病棟に居場所を見つけたスザンナ。

しかしリサへの熱が冷める出来事が起こります。

退院した患者の近親姦をリサがバラしたのです。

その患者はリサによって自殺に追い込まれてしまいました。

はじめて芽生えたリサの行動への疑問。

それまで万能の人に接するように接してきたリサに、スザンナは疑問の目を向けるようになります。

そのようなスザンナの態度はリサの気持ちを苛立たせ、他の患者は全員リサに同調します。

病棟で孤立するスザンナ。

スザンナはリサや他の入院患者たちとの全面対決の中で、あることに気づきました。

リサは精神科病棟の中でしか生きられないのだということです。

精神科病棟の中にいるからこそリサは強気でいられるけれど、この中でしかリサは生きられない人なのだろうと思うようになります。

自分は社会復帰をしようと決意するスザンナ。

映画はスザンナが落ち着きを取り戻して退院するところで終わっています。

人生に帰る道を探した少女

マンゴールド監督はスザンナを「人生に帰る道を探している少女」として描こうとしたとのこと。

境界性パーソナリティ障害は「若者がかかる麻疹(はしか)のようなものでもある」と精神科医の岡田尊司氏は述べています。

子ども時代に受けた心の傷が吹き出す思春期。

「ひとしきり激しく荒れ狂い周囲をてこずらせて膿を出すと、段々と落ち着いてくることが多い」と岡田医師は言います。

精神科病棟で依存する対象としてリサを見つけ、リサへの依存を深めていったスザンナ。

ところがスザンナは、リサへの疑問ゆえに困難な状況に追い込まれます。

それからスザンナは、リサに依存することも他の誰かに依存することもできない状態に陥ってしまいました。

しかしスザンナは、自分だけの力で困難を乗り越えようとして自分の人生に帰る道を見つけます。

境界性パーソナリティ障害の症状と克服を描いたのが『17歳のカルテ』です。

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