成人のアスペルガー症候群

成人のアスペルガー症候群

成人のアスペルガー症候群が増えている

最近「あの人は変わり者」「常識がない」などと言われてきた人たちが、成人になってからアスペルガー症候群と診断されることが増えてきています。
アスペルガー症候群とは1944年にオーストリアの医師アスペルガーが発表した論文に端を発する発達障害の一つで、以下の点で周りの人との違いを感じやすいと言われています。

社会性の違い

・他者の表情や感情を読み取ることが苦手
・深い人間関係を築くことが苦手
・一人でいることを好む

コミュニケーションの違い

・同じ言葉の繰り返しや、独特の言い回しをする
・人の言葉を繰り返す(オウム返し)
・場にそぐわない発言
・抑揚のない話し方

想像力と、それに伴う行動の違い

・一つのことに強い興味をしめす
・習慣となっている行動の変化に対応することが苦手
・新しいことや場面に対応することが苦手

アスペルガー症候群には、知的障害や言語の障害がありません

このため、子どもの頃にアスペルガー症候群だと気付かれず、成人してから判明することが多くあるようです。

成人してからアスペルガー症候群と判明する理由は、仕事上での問題にぶつかりやすいからだと考えられます。

仕事に関連するもので、アスペルガー症候群の成人の方の特徴的な点は、「スケジュール管理が苦手」「コミュニケーションの問題」「突然の変化への対応が苦手」「場にそぐわない発言」です。

成人になり仕事上での問題に直面して初めて、アスペルガー症候群だと判明することも少なくないのです。

アスペルガー症候群の早期発見が大切

成人になってからアスペルガー症候群であることが判明するといった診断の遅れが、大きな問題をまねく恐れがあるのです。

アルペルガー症候群と気付かぬまま成人になると、先ほど説明した点で仕事上の問題にぶつかってしまいやすくなります。

本人はアスペルガーだと気付かず、「なぜか仕事がうまくいかない」「なぜか同僚と仲良くできない」といった、原因の分からない悩みを抱えやすいと考えられます。

そして、強い精神的なストレスからうつ病や強迫性障害を引き起こしてしまうことがあるのです。

成人になって後、以上の点で生きにくさを感じるようでした精神科にご相談されることをオススメします。

アスペルガー症候群の特性を活かそう

今回の記事をお読みになってアスペルガー症候群をネガティブに捉えてしまったかたも少なくないかもしれません。

しかし実は、そのアスペルガーの特性をうまく生かして社会で活躍されている方もたくさんいらっしゃいます。

アルペルガーの方の特性として、特定の分野に強い興味関心をもつことがあります。

そして、高い集中力を発揮して莫大な知識や技術を身につけ社会に大きな貢献をする可能性もあります。

無理に周りに合わせようとするのではなく、ご自身の特性にあった働き方や生き方を見つけることが大切かもしれません。

(執筆:Koh, 監修:臨床心理士 鏡元)

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