発達障害の基礎知識 広汎性発達障害

発達障害の基礎知識 広汎性発達障害

発達障害とは

発達障害とは、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、幼児のうちから症状が現れ、日々の生活に支障をきたす状態にあることを指しています。

皆さんもアスペルガー症候群や自閉症という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これらも発達障害に分類されます。

発達障害のある人は、コミュニケーションや対人関係をつくることが苦手だったり、小さい時から通常とは異なった脳の発達をすることによって、特徴的な行動や態度をとることがあります。

そのため、行動や態度が「自分勝手」「変わった人」などと誤解され、周囲の人々から距離を置かれてしまうこともあります。

発達障害は、「通常とは異なった脳の発達」をするだけで「脳の機能が一生発達しない」というわけではありません。
「異なった脳の発達」に合わせた教育や支援があれば、問題なく日々の生活を送れるようになるんです。

発達障害の種類

発達障害には大きくわけて3つの種類があります。

・広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)
・学習障害
・注意欠陥多動性障害

自閉症スペクトラムと広汎性発達障害

自閉症スペクトラムとは、2013年に出された「DSM-V」と呼ばれる国際的な診断基準のガイドラインで発表された概念になります。

かつては広汎性発達障害と呼ばれていましたが、この名前に統合される事になりました。

しかし、まだ新しい概念であるため、今回は今まで使われてきたため、広く認知された概念である広汎性発達障害についてお話しできればと思います。

広汎性発達障害の種類

広汎性発達障害に分類されるものには以下のようなものがあります。

・自閉症
・アスペルガー症候群
・特定不能の広汎性発達障害
・レット障害
・小児期崩壊性障害

自閉症スペクトラムの種類

自閉症スペクトラムとは、2013年に出された「DSM-V」と呼ばれる国際的な診断基準のガイドラインで発表された概念になります。

自閉症スペクトラムに分類されるものは、以下のようになります。

・自閉症
・アスペルガー症候群
・特定不能の広汎性発達障害
・小児期崩壊性障害

「広汎性発達障害」に分類される障害で「レット障害以外」のもの全てが「自閉症スペクトラム障害」に分類されることになりました。

また、自閉症スペクトラムの詳しい説明は別記事でさせていただきたいと思います。

広汎性発達障害の特徴

広汎性発達障害には以下のような特徴があります。

・社会性の障害(EX:集団での行動が苦手、人間関係の構築が苦手)
・コミュニケーション能力の障害
・何か特定のモノ・コトへの強いこだわり
・想像力の障害

広汎性発達障害の統計

広汎性発達障害のうち「自閉症」となる方は、約150人に1人(有病率 0.6%)

自閉症スペクトラム全体(広汎性発達障害のうちレット障害を除いたもの)では、約80人に1人(有病率 1.2%)

また自閉症として生まれてくる小児は男児の方が圧倒的に多く、女児の約4倍の確率とされています。

このように、広汎性発達障害や自閉症スペクトラムという発達障害のかたは数多くいらっしゃいます。

私たち一人一人が発達障害の理解を少し深めるだけでも、発達障害のかたが感じる「生きづらさ」を軽くできるかもしれません。

今回は大まかに発達障害の種類と広汎性発達障害に触れさせていただきました。

より細かな説明も別の記事でさせていただきますので、ご参照ください。

(執筆:Koh, 監修:臨床心理士 鏡元)

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