アインシュタインやエジソンも障害を!? アスペルガー症候群

アインシュタインやエジソンも障害を!? アスペルガー症候群

ココポイント

  • アインシュタインやトーマス・エジソン、ビルゲイツはアスペルガー症候群をもっていた・もっている
  • アメリカのシリコンバレーなどでは、約1割の人がアルペルガー症候群とされている
  • アスペルガー症候群には3つの特徴がある

最近アスペルガー症候群という言葉がよく聞かれますが、アスペルガー症候群という言葉をお聞きになって、みなさんはどんなことを想像されますか。

「人の気持ちが理解できない」とか「知的能力が低い」とか、「なんとなくこわい人」等いろいろとイメージはあると思います。

どちらかというとネガティブなイメージの強いこのアスペルガー症候群ですが、
物理学者のアインシュタインや天才発明家のトーマス・エジソン、マイクロソフトのビルゲイツなどがアスペルガー症候群を持っていた・持っていると言ったらどうでしょう。

アスペルガー症候群は発達障害の一つで、自閉症スペクトラムと呼ばれるものの一つです。

障害と聞くとびっくりしていまいますが、発達障害は人間の特性のうち、特定の部分だけが強調されたり弱まったりして、問題となっているものと考えるといいかもしれません。

ちなみにアスペルガーというのはこの障害を発見した医師の名前で、この障害の名前はそこからとられています。

では、アスペルガー症候群とはどういったものなのか見ていきましょう。

アスペルガー症候群の3つの特徴

アルペルガー症候群をお持ちの方は、一般の方とは異なった思考をすることも多く、様々な場面で周りとのズレを生んでしまうことがあります。
社会性コミュニケーション想像力の3つの観点で以下のようなズレが生じることがあります。

社会性のズレ

  • 他者の表情や感情を読み取ることが苦手
  • 深い人間関係を築くことが苦手
  • 一人でいることを好む

コミュニケーションのズレ

  • 同じ言葉の繰り返しや、独特の言い回しをする
  • 人の言葉を繰り返す(オウム返し)
  • 場にそぐわない発言
  • 抑揚のない話し方

想像力と、それに伴う行動のズレ

  • 一つのことに強い興味をしめす
  • 習慣となっている行動の変化に対応することが苦手

知能障害はない

アスペルガー症候群のような発達障害は知的障害があると誤解されがちですが、この障害に関しては知的障害はありません

むしろ、特定の分野に強い興味・関心を示し、高い集中力で莫大な知識を得ることもあります

アメリカのシリコンバレーなどでは、約1割の人がアルペルガー症候群とされています。

彼らの強い興味関心がIT技術などにむけば、現代ではかかせない専門的でハイレベルな技術をもった人となるということでしょう。

アインシュタインやトーマス・エジソン、ビル・ゲイツなどは、自分たちのもつ興味関心を仕事に結びつけ、結果的に社会に貢献したと考えられるかもしれません。

一方、能力や興味関心の問題から複数の業務を同時にこなすことが苦手なケースが多く、またコミュニケーションの苦手さからチームプレイも苦手な方もいらっしゃるようです。

最近では、IQ170の少年として、アスペルガー症候群をもったジェイコブ・バーネットくん(15歳)がアメリカで話題になりました。

バーネットくんはこの若さで、微積分学などの科目を大学生に教えるだけでなく、論文も執筆した研究者なのです。

現代の日本社会では、まだまだアスペルガー症候群をお持ちの方に対して偏見が多いいようです。

発達障害は、得意な部分と苦手な部分がとても大きい恐こと、そして時として他者とズレがあるだけで、バーネットくんのように研究などを通し社会に貢献する能力をもつこともあります。

このように、アスペルガー症候群のような発達障害を単に障害としてでなくひとつの人間の特性として考えてみると、また新たな視点が見えてくるかもしれません。

(執筆:Koh, 監修:臨床心理士 鏡元)

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