発達障害の基礎知識 学習障害(LD)

発達障害の基礎知識 学習障害(LD)

発達障害とは

発達障害とは、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、幼児のうちから症状が現れ、日々の生活に支障をきたす状態にあることを指しています。

皆さんもアスペルガー症候群や自閉症という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これらも発達障害に分類されます。

発達障害のある人は、コミュニケーションや対人関係をつくることが苦手だったり、小さい時から通常とは異なった脳の発達をすることによって、特徴的な行動や態度をとることがあります。

そのため、行動や態度が「自分勝手」「変わった人」などと誤解され、周囲の人々から距離を置かれてしまうこともあります。

発達障害は、「通常とは異なった脳の発達」をするだけで「脳の機能が一生発達しない」というわけではありません。

「異なった脳の発達」に合わせた教育や支援があれば、問題なく日々の生活を送れるようになるんです。

発達障害の種類

発達障害には大きくわけて3つの種類があります。

・広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)
・学習障害
・注意欠陥多動性障害

学習障害とは

学習障害とは、知的な遅れがないのですが、「話す」「読む」「書く」「聞く」「計算する」「推論する」といった能力のうち特定の能力の学習や、日常での使用に困難が生じることを指します。

学習障害の種類

●「読む」

学習障害のうちで、「読む」ことが困難な状態を「ディスレキシア」と呼びます。

文字や文章を正確に読むことが困難な状態です。

例えば、本を読んでいる時には、途中でどこを読んでいるのか分からなくなったり、書いている内容を正確に理解することがうまくできないといったことがあります。

●「書く」

「書く」ことが困難な場合は「ディスグラフィア」と呼ばれます。

「読む」ことはできても、文字を「書く」ということが困難な状態です。

ひらがなやカタカナ、漢字を書くときに、文字が左右上下が反転(鏡文字)したり、誤字が多かったりします。
作文や日記など、考えて書くことも困難な場合もあります。

●「計算すること」

学習障害の一つに、数字や記号の概念をうまく理解することが困難な状態があります。

数字の大きい小さいなどの概念の理解が難しく、足し算や引き算といった、比較的簡単な計算でも、指を使って考えないとわからなくなるといった特徴があります。

学習障害の原因

学習機能に支障をきたす原因は、脳の機能に不具合がでているからとされていますが、まだはっきりとしたことは分かっていないんです。

しかし、少なくとも育て方や環境によるものではありません。

学習障害の早期発見の重要性

学習障害の方は特定の能力に不具合がでるのであってその他の能力はまったく問題ないということもあります。

そのため、ただたんに「算数が苦手な子なんだ」「国語が苦手な子なんだ」などと、個性として考えられ、対応が遅れてしまうことが多くあるようです。

「努力不足」だとか「怠けているだけだ」などと周りに思われて、いじめや不登校につながってしまうこともあります。

学習障害をもっていても、自信をもって学習に取り組めるようするには、適切な支援や理解が大切になります

(執筆:Koh, 監修:臨床心理士 鏡元)

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