知らずにストレスを受けている!?テレビをだらだら見る行為の危険性って?

知らずにストレスを受けている!?テレビをだらだら見る行為の危険性って?

インターネットの普及により、一時は「テレビ離れ」だと言われることもありながら、まだまだ私たちの生活に根強く密着しているテレビ。無名バンドがCMとのタイアップで有名アーティストとして駆けあがっていったり、報道番組、旅、グルメ、音楽、お笑いなど、その影響力はやはり衰えていない様子。

しかしそんなテレビの「だらだら見」によって、ストレスを受けている可能性があります。「普段通りの生活のはずが、なんとなく落ち着かない」……そんなときは、惰性になっているテレビとの距離感を見直してみませんか?

◆なぜ「テレビをだらだら見てしまう」のか?

見たい番組や知りたい情報があるわけではないのに、なんとなくテレビを見てしまうことが多い人は、以下のような特徴が考えられます。

・せっかちな性格
・無音の状態が嫌い
・寂しい、虚しいと感じやすい
・休日には何をすればいいか分からなくなる
・「ヒマ」に耐えられない
・常に新しい情報、新しい刺激を欲している

一つ一つの特徴、性格は決して悪いものではありません。しかし、それゆえに「だらだら見」をしがちになってしまうのは見直しが必要かもしれません。

◆テレビを見ていることの何が悪いの?

とは言え、もちろん「テレビを見ることが悪い」というわけではありません。では何が悪いのか、と言うと、あなたはテレビをだらだら見ていたことで次のようなことが起こってしまったことはありませんか?

・テレビを見ているうちにいつの間にか時間が経っていて、やろうと思っていたことができなかった
・流し見してなんとなく得た情報を、間違えて記憶してしまった

仮に上記の状況に陥っても「ああ、やっちゃった」「まあ、いいや」と流せる程度かもしれません。しかし、怖いのは、これらが知らず知らずのうちに「自分は駄目な人間だ」という印象として蓄えられてしまうかもしれないという点にあります。

原因はテレビという些細なものでも「目標を達成できなかった」、「恥をかいた」というマイナスな結果だけが頭に残ってしまうことで、その場では深く傷つかずとも失敗の印象が積み重なることで自己否定感を呼び起こしかねません。

◆テレビの情報に「盲目」になるという「副作用」

映画監督、作家の森達也さんは著作「たったひとつの『真実』なんてない——メディアは何を伝えているのか?」で「テレビの副作用」という章を立てて「『ただなんとなく見る』ことのできるメディアの強さ」を語っています。

森さんは、10年間テレビ業界で働く中で、テレビで流す情報は分かりやすく、かつ衝撃を与え興味を持つものにするため加工されたものであることを目の当たりにし、それらの情報に飲み込まれることに怖さを覚えたそうです。

特に見たいものはない、知りたい情報もない、それでもただなんとなくテレビを見続けることによって、加工された情報がまるで真実かのように頭に残っていくのは確かに怖いかもしれません。

テレビは社会情勢から今のトレンドまで広く配信してくれる、今や生活に欠かせない存在。だからこそ子どもの頃のように「テレビは一日●時間まで」、「他のことをしているときは消す」などしながら、惰性的になっていないかとテレビとの関係を見直すことで、時間の使い方や情報のとらえ方など多くのポイントを再確認できるかもしれませんね。

(執筆:朔ひづめ, 監修:臨床心理士 鏡元)

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