「ストレスって良くないもの」っと思われている方は多いのではないでしょうか。
過度なストレスが体や精神の不調につながることが、頻繁にクローズアップされていることから、
『ストレス=なるべくないほうが良いもの』 と捉えてしまうかもしれません。
たしかに、過度なストレスとそれが維持された状態は良くないですが、適度なストレスは私たちにとって必要なものだと言われています。
そもそも、ストレスとは「外からの刺激による体の反応と、その原因である刺激そのもの」のことを指します。
ここで分かりやすくたとえ話をしますと、ゴムボールのようなものをまずはイメージしてみてください。
ゴムボールを手で押せば、へこみますよね。
そこで、ゴムボールを押すのをやめて、しばらくそのままにしておいたら、自然と元の丸いボールに形が戻っていきます。
押すのをやめずにゴムボールをずっと強く押していたら、へこみが戻らず、形が歪んだ状態になってしまいますよね。
この場合、ゴムボールが押される力=何らかの刺激
元の丸いボールに戻ろうとしたり、形に歪みができること=体の反応
と捉えてみてください。
過度なストレスとは、まさに押される力が強かったり、長時間に及ぶ圧力のようなもので、私たちの心に歪みを生じさせていきます。
「ってことはやっぱり、ストレスなんてないほうがいいじゃない?」
と思われる方もいらっしゃるかとは思いますが、そうではないのです。
もしまったくストレスがなければ、頭や体が鈍ってしまい、健康的な毎日を送ることができなくなってしまいます。
ここで少し以下の内容を読んで想像してみてください。
何もない土地で衣食住の環境は整っています
「何をしてもいいよ、君の好きなようにして」と言われ、一人残されたとします。
『学校も会社も嫌な人も誰もいない!食べ物住む場所もあるし、快適!』
と、最初はなんて素晴らしいんだろうと感じるかもしれません。
しかし、たった一人で、このような状態が何年も続いたらどうでしょうか。
その生活に飽きてしまいそうではないですか。
これは、ストレスがない、または少なすぎることが原因となります。
実は、私たちは意識しないだけで、日常生活のなかで適度なストレスを感じ取っているのです。
・人と会話をするとき
・軽い運動や映画鑑賞・・・など
刺激が足りなくてつまらないと言う人が周りにいらっしゃれば、それは平穏な日々が物足りず、少しストレスが足りないと言っているようなものかもしれません。
適度なストレスは、私たちの成長の機会ともなります。
ストレスが悪い、ストレスを解消しなければならない、という論調が頻繁に取り上げられることも多いですが、ストレスそのものが良くないものと捉えるのではなく、ある程度のストレスは、私たちの生活や成長に対して欠かせないものであることを認識し、適度なストレスとうまく付き合っていくような考え方、受け止め方をしていけるようになることが大切になってきます。
ストレスを発散したり、受け流す方法については、いろいろとありますので、ココオルニュースでも取り上げていきますし、ぜひココオルの悩み相談でも一緒に考えていければと思います。
(臨床心理士 チャマ)
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今年の3月に卒業を控えた高校生。頭が痛く、ストレスがひどいです。