「最近、小さなことでいらいらしてしまう」「他人に対してきつい物言いをしてしまう」など、気持ちの余裕がなくなってしまうことがありませんか?
毎日の忙しさやめまぐるしさの中で懸命に生きようとするほど、心にゆとりがなくなってしまうのは仕方がないこととも言えるでしょう。そんな日常を打破するために、読むと「こういう生活も面白いだろうなあ」と思えるような「ゆる〜いエッセイ」を三つ、ご紹介いたします。
1、大槻ケンヂ「オーケンのほほんと熱い国へ行く」
大槻ケンヂさんは80年代のバンドブームに「筋肉少女帯」「特撮」といったバンドでカリスマ的人気を博したミュージシャンでありながら、長編小説「グミ・チョコレート・パイン」などの執筆活動もされています。
さらに「のほほんシリーズ」として多くのゆる〜いエッセイを発表している著者ですが、今作は著者初めての執筆作品。テレビの企画でインドやタイなどの熱い国を旅しながら、出会った人や感じた思いなど赤裸々な経験を描いた旅行記です。
この後発表されたのほほんシリーズの一冊「のほほん日記」では、独特のゆるく軽快な語り口はそのままに、精神的な病を抱えた著者が闘う様子も告白されています。気になる方はぜひ、シリーズ読破を!
2、辛酸なめ子「自立日記」
初版の帯に書かれた「ブリジット・ジョーンズよりも、みじめな女の3年間」というコピーがあまりに目を惹くこの作品は、仕事をしてご飯を食べて英会話教室に通って……という著者の日常を、独特のブラックかつユーモラスな語り口で淡々とつづった一冊。
「ハッピーでキャッチーな文章だけを読みたい」とい人には手放しにおすすめしにくい一冊でありながら「仕事でいやな思いをした」から「××というレストランはまずい」まで(!)、自分の感情を包み隠さず書き、笑いをこらえきれなくなるエピソードに落ち着かせてしまう文体はくせになってしまいます。
3、伊藤潤二「伊藤潤二の猫日記 よん&むー」
最後にご紹介するのは活字が苦手な方でも気楽に読めるコミックエッセイ。伊藤潤二さんは、ホラー漫画で有名な作家さんです。そのため、エッセイの内容もホラータッチなのでは……? と思ってしまうかもしれません。
実際、最初の数ページは伊藤さんらしい、どこか禍々しい空気が付きまとい「化け猫」という言葉もちらつきます。
しかし読み進めていくと……実はほっこりしてしまう内容。いかにも怖そうな表紙ですが、猫好きの方には特におすすめしたい一冊です。きっと共感できるページも多いはず!
いかがでしたか?
「なんだか余裕がない」「ピリピリしている」と自分でも感じられる精神状態は、決して健康的とは言えません。
自分ひとりででもどうにか解決したいというときは、読書経験を通じてゆる〜い気持ちを思い出すことでゆとりのある生活へ戻るきっかけを作れるかも。