知っておこう障害の基礎知識 知的障害

知っておこう障害の基礎知識 知的障害

●知的障害とは

私たちには、理解・判断・思考・記憶・知覚といった能力(認知能力)があります。知的障害とは、理解・判断・思考・記憶・知覚といった認知能力が全体的に低い水準にとどまっている状態のことを指します。

●知的障害と知能検査

専門家による知能検査の結果によって、知的障害かどうかの判断がなされます。知能検査とは、知能指数(IQ)を測るための心理検査です。(例: IQ100,IQ85)

知能検査で測られた知能知能指数IQが70以下の場合、知的障害があると考えられます。

・軽度の知的障害 IQ50~70

食事や排せつなどの日常的な動作は問題なくこなすことができます。しかし、言葉を覚えて、話したり聞くという「言語能力の発達」はゆっくりであることが多いです。
知的障害の約85%が軽度の知的障害で、日常生活は問題なくこなせるために、学校での生活が始まるまで周りの人には気づかれにくいという特徴があります。

・中度の知的障害 IQ35~49

知的障害の中で約10%が中度の知的障害とされています。言語の発達はゆっくりですが、コミュニケーションはとれるようになります。中度の知的障害になると、日常生活における動作でもできないものが出てくるようです。学力は、小学校2~3年生くらいまでになるようです。

・重度の知的障害 IQ20~34

知的障害の約4%が重度の知的障害になります。3~6歳の知能まで発達し、簡単な会話ができるほどになります。決まった行動や、簡単な繰り返しの作業ができるようになりますが、常にサポートが必要になります。

・最重度の知的障害 IQ20未満

知的障害のおよそ1~2%にあたり、最終的に3歳未満の知能まで発達します。言語能力は発達しないことが多いですが、喜怒哀楽の表現はできるようになります。運動能力も遅れがあり、歩くことが困難なことも多いです。常に保護や介助等のサポートが必要になります。

(執筆:Koh, 監修:臨床心理士 鏡元)

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