学校にいかない子ども・若者たちの現状はどうなっているのでしょうか。
不登校は、古くは登校拒否という言葉から始まり、いろいろと意味や定義が変わってきました。
現在では、文部科学省によると、『何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるため年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの』と定義されており、ただ学校に行けない人ということではなく、様々な理由で学校に行けていない人たちをさします。
内閣府の平成25年版 子ども・若者白書は不登校児数の現状を以下のように説明しています。
不登校児は,1990年代に中学校を中心に増加した。
平成23(2011)年度には,
小学校 : 22,622人(全体に占める割合0.33%) 横ばい
中学校 : 94,836人(同2.64%) 減少傾向
高校 : 56,292人(同1.68%) 増加傾向
そして、不登校になったきっかけは以下になっています。
・小学生 : 「不安など情緒的混乱(33.4%)」「無気力(22.4)」「親子関係(19.8)」
・中学生 ; 「不安など情緒的混乱(24.9)」「無気力(24.9)」「友人関係をめぐる問題(15.8)」「あそび・非行(11.6)」
・高校生 : 「無気力(27.1)」「不安など情緒的混乱(16.7)」「あそび・非行(12.5)」
子どもたちの不安
内閣府の統計によると「不安など情緒的混乱」が小学生・中学生・高校生の「不登校になるきっかけ」としてあげられていますね。
不安といっても、何に対して不安を感じているのかは一人一人違ってくるでしょう。
勉強がうまくいかないこと、先生に叱られること、仲間はずれと様々考えられます。
子どもたちが何に対して不安を感じているのか、その原因と考えられるものを見ていきたいと思います。
・息切れによるもの
親や学校といった周りの人の期待に応えようとするあまり
頑張りすぎて疲れ切ってしまうことがあります。
結果として、漠然と不安感に襲われてしまったり、
体の調子が崩れてしまうケース
・生活基盤の不安定によるもの
家庭内での出来事が原因となって不安を感じたり、体調を崩してしまうケースです。
例としては、両親の関係がよくないことや、離婚が挙げられます。
・分離不安によるもの
小学生の不登校児に現れやすい傾向として、親から離れると不安になってしまい学校に行くのを嫌がるということがあります。
・甘やかしによるもの
我慢や自分の思いをうまく伝えられず、集団での生活に溶け込めなくなり孤立してしまうことによって不安を感じてしまうケースです。
・学習面
思うように成績が上がらないかったり、授業の内容についていけないということで強い劣等感や不安を感じてしまうことがあります。
・友人関係によるもの
学校のいじめっこ同級生から仲間はずれや友人ができないことによって不安
・先生との関係によるもの
先生から叱られてから、怖くなっていけなくなってしまったり先生との関係によるものも考えられます。
必ずしも以上の原因が全ての子ども・若者たちに当てはまるとは限りません。
ひとつの目安としてお考えください。
大切なことは、学校に行く行かないという結果だけを変えようとするのではなく
不安を感じてしまう原因をいかに改善や克服するかということです。
また、最近の研究では発達障害と不登校の関係も強いことがわかってきており、そういった発達障害から来る生きづらさや不安で不登校になっているということもあります。
学校にいきたくないとなった時にはただ学校に戻すということだけでなく、「学校にいかない」という選択肢もあることを覚えておいてください。
また、学校に行くにしても、小中学校であれば相談指導学級や段階的な登校、転校等の方法もありますし、高校であれば別の学校に編入する選択肢や、通信制の学校にいくこともできます。
そうやって、自分がイキイキと輝いて生活出来る場所を見つけることが大切です。