ココポイント
- 最近よく耳にする「新型うつ病」は正式には「非定型うつ病」
- 従来のうつ病と「非定型うつ病」ではいくつかの違いがある
- 「非定型うつ病」で特徴的な症状は「拒絶過敏性」
最近、ニュースでもよくみかけるようになった「新型うつ病」。
実は新型うつ病という言葉は正式な病名ではなく、メディアによって作られた造語です。世間で騒がれている「新型うつ病」は、単なる「うつ病」ではなく「非定型うつ病」だと考えられています。
今回は非定型うつ病の症状がどのようなものなのか詳しく見ていきましょう。
非定型うつ病の症状
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気分反応性
気分反応性とは、一つ一つの出来事に敏感に反応して気分が激しくアップダウンしてしまうことなんです。何か良いことがあれば気分があがり、嫌なことや悪いことがあれば気分が落ち込むのは、誰にでもあることかもしれません。しかし、非定型うつ病の場合、気分の上がり下がりの落差が大きいということが特徴になります。
例えば、ショッピングにいくとなれば、パッ晴れたように明るくなるのですが翌日、仕事にいく際には、手のひらを返したように落ち込んでまう.
周囲からみると仮病なんじゃないかっと思われてしまうかもしれません。それゆえ、「新型うつ病」は甘え、怠け者、自分勝手といったような誤解を生んでしまいやすいんです。
従来のうつ病では「何にも興味関心をしめさなくなる」のに対して
非定型うつ病では「楽しいことがあれば気分は上がり、嫌なことがあると気分が下がり、気分の上下が激しい」という違いがあります。
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不安・抑うつ発作
非定型うつ病では、夕方から夜にかけて、いきなり不安感に襲われたり抑うつ発作が現れるのが特徴です。突然の不安感に襲われているときは、精神状態ががらりと変わって別人のような行動をとることもあります。例をあげると、
原因のわからぬ不安感に襲われ、涙が止まらなくなる
過剰に絶望感をもったり、焦燥感に襲われる
不安感・絶望感・焦燥感からリストカットや過食といった衝動的な行動にはしってしまう。
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鉛様麻痺
従来のうつ病では疲れやすく「体がだるい」という感覚を持つ傾向があります。
非定型うつ病では、この症状がさらに進行し、「手足が鉛になってしまったかのように重くなり、動けないほどに全身がだるくなる」という症状がでます。
運動や労働からくる肉体的な疲労とはちがって、精神的ストレスによって気分が落ち込んだときに症状が現れやすくなります。
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過眠
従来のうつ病では「眠れない」という症状に悩まされがちですが、
非定型うつ病では「眠りすぎてしまう」という過眠の症状が出てきます。
具体的には、1日10時間以上寝る日が、1週間に3日以上ある場合、過眠と診断され非定型うつ病が疑われます。
嫌なことがあり気分が落ち込むと、それに合わせて眠気が強まったり、
体が鉛のように重く感じられて起きていられず、横になってしまうことがあります。
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拒絶過敏性
誰でも、人から批判されたり悪口を言われると、誰でも落ち込んでしまいますよね。しかし、非定型うつ病の場合、周りの人のちょっとした一言で過度に落ち込んでしまったり、褒められたとしても皮肉として受け取ってしまうことも。このように、人の言葉に敏感に反応することを「拒絶過敏性」といいます。
この症状は、周りの人との間でトラブルを発生させやすくしてしまいます。家族や恋人、職場での人間関係にヒビをいれて社会生活に支障をきたします。結果的に、人間関係がうまくつくれなくなり、ひきこもりとなるケースもあります。
従来のうつ病では他者に対して罪悪感をもってしまう傾向が強いのに対し、非定型うつ病の場合、他者からの評価に過敏に反応し、落ち込むだけでなく攻撃的になることもあります。
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