あなたの気づきが同僚を救う うつ病の11つのサイン

あなたの気づきが同僚を救う うつ病の11つのサイン

●自分からは訴えにくい

うつ病の自己診断チェックシートも出回っています。「楽しいってどういうことだったか、分からなくなった。四六時中気分が落ち込んでいる。」そうした自分に気づいてうつ病を疑い、ひそかにうつ病の自己チェックをする人も少なくないようです。

自分チェックしてみてうつ病の可能性が非常に高いと分かっても、職場や家族に心配を掛けたくないからと自分自身で抱え込んでしまい、誰にも相談できない人は少なくありません。うつ病への誤解から自分がうつ病を発症していることを認めたくないという人もいるようです。

うつ病を発症しやすい性格の人には、自分の辛さを訴えたり手助けを求めたりすることを控える傾向が認められると言われています。周りの人がいつもと違うことに気づいてあげることで、うつ病を悪化させるのを防ぐことができます。

●うつ病が疑われる11のサイン

次のような様子が顕著に認められ、2週間以上続く場合は、注意が必要です。

1.遅刻や欠勤、午前中の半休が増えた。

2.服装や身だしなみに気を使わなくなった。

3.表情が暗く、笑わなくなった。

4.仕事のミスを指摘したりやり直しを依頼すると、非常にイライラするようになった。

5.発言に自信が持てない様子で、「自分はダメな人間だ」というような自己否定的な言葉がよく聞かれるようになった。

6.たくさんの仕事を抱え、残業が多くなっているのに、周囲に手助けを求めずに一人で抱え込んでいる。

7.忘れ物や連絡ミスが増えた。

8.仕事に集中できずにぼんやりしていることが増え、ケアレスミスや納期を守れないことが多くなった。

9.簡単な決断が下せないようになった。

10.顧客や取引先からのクレームといった人間関係でのトラブルが増えた。

11.口数が少なくなり、昼食なども一人で摂ることが多くなった。

●うつ病のサインに気づいたら実践したい3つのこと

うつ病のサインに気づいたら、早急に専門の病院の受診につなげたいものです。しかし、いきなり「うつ病だと思うから、精神科を受診したら。」と言うのはデリカシーに欠ける行為です。うつ病かもしれないと感じながらも、周囲の人に気づかせまいと頑張ってきた本人の心を深く傷つけてしまいかねません。うつ病のサインに気づいたら、次の3つの点に十分留意しましょう。

1.それとなく睡眠状態や食欲をたずね、うつ病の症状が進行していないか確認しましょう。生活状態を答えることで、本人も自分の生活を見直すきっかけになります。

2.それとなく業務量を調整しましょう。一人で仕事を抱え込んでいることが少なくありません。残業が減るように配慮することも大切です。ただし、本人が「仕事を取り上げられた。自分にはこんな仕事しか回してもらえない。」と思わないように注意することが必要です。

3.「期待しているから頑張れ!」というようなむやみな励ましや「誰だって大変なのだから」というような非難は、くれぐれも口にしないようにしてください。かろうじて保っていた心の均衡が崩れ、自殺願望に変わる危険性があります。

(執筆:木下書子, 監修:臨床心理士 鏡元)

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