「うつ病」と「新型うつ病」はどう違うの?臨床心理士の解説

「うつ病」と「新型うつ病」はどう違うの?臨床心理士の解説

ココポイント

  • 新型うつ病では、気分の上がり下がりが激しい(気分反応性)
  • 新型うつ病では、不眠ではなく過眠の症状がある(過眠)
  • 新型うつ病では、敏感に他者からの評価を気になる(拒絶過敏性)

最近、「新型うつ病」という言葉をよく耳にされるかたもいらっしゃるのではないでしょうか。

「新型うつ病」が20代や30代と若い年代に急増中!なんてニュースでもやっていたりします。

新型うつ病って甘えなんじゃないの?怠けてるだけじゃないの?なんて誤解も新型うつ病が理解されぬまま広がっていってしまっていると感じます。

ところで、そもそも新型うつ病ってなんなの?

一般的なうつ病とは違うの?

今回はそんな新型うつ病をご紹介させていただきます。

新型うつ病は非定型うつ病

実は、新型うつ病という言葉は正式な病名ではなく、造語なんです。

そして、世間で騒がれている「新型うつ病」は、単なる「うつ病」ではなく「非定型うつ病」だと考えられています。

非定型というのはいままでの診断基準に当てはまらないということ、これが転じて新型と呼ばれるようになったんですね。

新型うつ病の具体的な症状は以下のようになっております。

気分反応性

気分反応性とは、一つ一つの出来事に敏感に反応して気分が激しくアップダウンしてしまうことなんです。

何か良いことがあれば気分があがり、嫌なことや悪いことがあれば気分が落ち込むっというのは、誰にでもあることかもしれません。

しかし、非定型うつ病の場合、気分の上がり下がりの落差が大きいということが特徴になります。

例えば、ショッピングにいくとなれば、パッ晴れたように明るくなるのですが、翌日、仕事にいく際には、手のひらを返したように落ち込んでまう。

周囲からみると仮病なんじゃないかっと思われてしまうかもしれません。

それゆえ、「新型うつ病」は甘え、怠け者、自分勝手っといったような誤解を生んでしまいやすいんです。

従来のうつ病では「何にも興味関心をしめさなくなる」のに対して、非定型うつ病では「楽しいことがあれば気分は上がり、嫌なことがあると気分が下がり、気分の上下が激しい」という違いがあります。

過眠

これは従来のうつでもありますが、非定型うつ病では「眠すぎてしまう」という過眠の症状が出てきます。

具体的には、1日10時間以上寝る日が、1週間に3日以上ある場合、過眠ということになります。

嫌なことがあり気分が落ち込むと、それに合わせて眠気が強まったり、体が鉛のように重く感じられて起きていられず、横になってしまうことがあります。

拒絶過敏性

誰でも、人から批判されたり悪口をいわれたりすると、多少なりとも落ち込んでしまいますよね。

しかし、非定型うつ病の場合、周りの人のちょっとした一言で落ち込んでしまったり、過度に落ち込んでしまったり、褒められたとしても皮肉として受け取ってしまったりと、

他人の言葉に敏感に反応することを「拒絶過敏性」といいます。

この症状は、周りの人との間でトラブルを発生させやすくしてしまいます。

家族や恋人、職場での人間関係にヒビをいれて社会生活に支障をきたします。

結果的に、人間関係がうまくつくれなくなり、ひきこもりとなるケースもあるんです。

従来のうつ病では他者にたいして罪悪感をもってしまう傾向が強いのに対し非定型うつ病の場合、他者からの評価に過敏に反応し、落ち込むだけでなく攻撃的になることもあります。

以上のように、従来のうつ病と非定型うつ病では症状に異なる点があります。

また、非定型うつ病は病気なのか性格上の問題なのか見極めることがむずかしい病になります。

単純に「甘えだ」「怠け者」「自分勝手」など性格の問題とはとらえず、病気かもしれない可能性も考えましょう。

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(執筆:Koh, 監修:臨床心理士 鏡元)

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