うまくすれば大成功を遂げるADD(注意欠陥障害)とADHD

うまくすれば大成功を遂げるADD(注意欠陥障害)とADHD

アメリカのこころの病を分類する方法でDSM-Ⅴというものがあります。

これで見ると、ADDとADHDは別のものと書かれています。

●ADDとは

日本語に訳すと「注意欠陥障害」です。この特徴は以下のようなものがあります。

・飽きっぽく作業が長続きしない
・整理整頓が苦手でミスが多い
・物をなくしやすい
・不器用、衝動的、気分が変わりやすい
・よくしゃべる
・一喜一憂が激しい
・発想が豊かであるが実行できない
・順番が待てない
etc…

だれでも幼児期にはよく見かけるものですね。

しかし、これが「顕著で長く見受けられる」と、ADDの疑いが出てきます。このせいで、社会的な不適応、周りとのいさかいが絶えないなど、幼児期から保護者が困惑することが多いです。つまり生れついた障害の一つです。心の障害ではなく、脳の機能的障害なのです。

ですが、ADDには大きな長所があります。アップルの創業者、スティーブ=ジョブズや、映画監督のスティーブン=スピルバークなどがADDといわれています。つまり、アイデアマンで決断力もあります。好きなことはとことんやりますし、それに対して情熱を傾けます。

幼児期の育て方は、とても大変ですが(エジソンと同じように)大人になってみると、ある一面で、おもしろい可能性を秘め社会に貢献できる人材になる可能性があります。最近は、東京大学や京都大学でもこのような「尖った人材」を入学させる制度ができました。親としてはワクワクしますね。

●ADHDとは

ADHDは、「Hyperactivity=多動」が入るとADDと区別されます。

とにかくじっとしていられないのです。幼児期から小学校低学年にかけて、このような子供が昔からいますが、多くは成長するにしたがって収まっているようにみられていました。しかし、実際には「注意力散漫な人」「だらしない人」というレッテルを張られている場合がありました。

これもまた、脳の機能的障害なので薬で治ることはありません。行動療法で少し軽減されてくるといわれますが、根本的な解決にはいたりません。

よく学校などで行われている支援方法は、「行動計画のメモを取らせる」「机に段取りや目安を書かせて張る」などがあります。

●気の持ちようで親が変われば、子も変わります

とかく、障害を持ったお子さんをお持ちの方は、深刻に考えすぎることがあります。他のお子さんと、どうしても比べてしまいますから。

でも、普通といわれるお子さんでも、個性はそれぞれ違います。普通一般でも、子育ては「個性を伸ばすこと」が大切だという意見に異論がある方は少ないとは思います。ただ、そうとは言っても、能力が極端に集中して伸びていくADDやADHDのお子さんは、手がかかる場合があるのも事実です。

なので、ADDやADHDのお子さんの育て方を専門家に相談し、同じような親御さんたちと交流、情報交換しながら、お子さんと自分なりの接し方、関わり方を工夫していくことで、通常よりもむしろ夢のある子育てができるかもしれません。

どんなお子さんであったとしても、それぞれ個性があります。その個性を尊重し、引き出していく、伸ばしていくということが、最も大切なことではないかと思います。

(執筆:藤林ながと, 監修:臨床心理士 鏡元)

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