受け取り方は十人十色!『ポケットに名言を』の言葉5つをご紹介

受け取り方は十人十色!『ポケットに名言を』の言葉5つをご紹介

悩んでいるとき、落ち込んでいるとき、誰かに助けてもらいたいとき……おすすめしたい本があります。寺山修司氏の書籍「ポケットに名言を」の中から、はっとするような名言たちをご紹介。

『ポケットに名言を』とは?

作家、映画監督、演劇家など様々な分野において多くの功績を残した寺山修司氏が「古いノートをひっぱり出して、私の『名言』を掘り出し、ここに公表することにした。」というコンセプトから発表した一冊。

日本の作家、海外の作家、さらには時代も問わず、作中の台詞でも、作者の思想でも構わずとにかく寺山氏自身が「名言だ」と感じた言葉たちが淡々とつづられています。

テレビ朝日系列「アメトーーク!」の「読書芸人」特集の際、セカイノオザワことスピードワゴン小沢一敬さんがおすすめの一冊として紹介したことでも話題となりました。

「十で神童、十五で才子、二十過ぎれば、ただの人。」(俚言)

子どもの頃はなにをしても褒められ、小・中学生のときにはクラスで一番、地域で一番になっていたとしても年齢を重ねるごとにさらに上を目指すことは難しくなっていきます。自分の世界が広がるほど、平凡になっていくような感覚に歯がゆさを覚えた経験のある方もいるかもしれません。でも本当は誰もがただの平凡な人間であり、おごり高ぶるような態度は慎まなければいけないと改めて意識させられます。

「頭で考えるな。肌で掴め」(ブルース・リー「燃えよドラゴン」)

かの有名な「燃えよドラゴン」より、読書が苦手な肉体派の人へも捧げたい一言。勉強することやよくよく悩み考えることももちろん大切ですが、時には考えすぎてしまう前にとにかく身体を動かし、肌で掴むことも大切だと思い出させられます。

「墓場は、いちばん安上がりの宿屋である。」(ラングストン・ヒューズ「詩集」)

「死」への恐怖は誰しもが持ち合わせていながら、強いストレスを呼び、ときにはうつやパニック症などの最も根深い原因にさえなりかねません。

しかし、「死」に対してここまであっけらかんとした印象を持っている人だっているのです。
詩集や文学作品には、いかにも高尚で難しそうなものだけではなく、時おりこうした「そりゃないでしょ!?」と言いたくなるような作品も多いのが魅力ですね。

「英雄」のいない時代は不幸だが、英雄を必要とする時代はもっと不幸だ。」(ベルトルト・ブレヒト「ガリレオ・ガリレイの生涯」)

時代を先行し、常に民衆を引っ張っていく「英雄」の存在が及ぼす影響力について、世界史の授業などで学んだ方も多いのでは。受動的と言われる日本人には、とくにぐっさりときそうな言葉ですね。現代の英雄、あなたの周りの英雄は一体誰でしょうか。

「崇高なものが現代では無力で、滑稽なものにだけ野蛮な力がある。」(三島由紀夫「禁色」)

言わずとしれた日本を代表する文豪のひとりであり、1970年「三島事件」としてクーデターを促す演説のあと衝撃的な割腹自決をし、その生涯に幕を下ろした三島由紀夫。この事件は日本国民に大きな衝撃をもたらしたのでした。

三島氏が語る「現代」はいまや「かつての日本」になってしまいましたが、それでも語られていることの本質はあまり変わっていないのかもしれません。

おわりに

国や時代、環境や言語などの異なる偉人が残した言葉でも、今の自分にとって大きなヒントになるものも沢山あります。常にポケットに名言を忍ばせ、気持ちが折れそうなときに見返してみるのもいいかもしれませんね。

参考:「ポケットに名言を」(寺山修司、角川文庫)

(執筆:朔ひづめ)

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