イギリスが認知行動療法を正式採用!セラピスト1万人養成の理由

イギリスが認知行動療法を正式採用!セラピスト1万人養成の理由

イギリスで、国策として認知行動療法を提供 7年で10.000人養成

イギリスは日本と同じく、6人に1人が抑うつや不安という精神的問題に苦しんでいるといいます。
このような中、2008年にイギリス政府は、国民の心理療法へのアクセスを改善させる政策(Improving Access to Psychological Therapies:IAPT)を施行しました。国民が気軽に心理療法をうけることができるようにし、国民の精神健康の悪化を早期発見し対処しようと試みるものです。そして、精神健康を保つ手段として、認知行動療法の効果が認められ、3年間で10,000人のセラピストを養成することとなりました。

イギリスの国をあげた精神医療の充実を目指すこの政策が、世界的な認知行動療法の広がりの大きな要因となったと考えられます。

ではなぜ、認知行動療法が選ばれたのでしょうか?ほかの心理療法ではだめだったのでしょうか?

その理由は、認知行動療法の高い効果と、スキルとして学べるということの2つにあります。

◯認知行動療法の効果
認知行動療法のうつ気分を弱める効果は、薬物療法と同等の効果を持つということが実証されています。
副作用も考えられる薬物療法よりも、薬に依存しない認知行動療法が選ばれたものと考えます。
そして、うつ気分を弱める効果の即効性も期待できる療法が、認知行動療法なのです。

◯スキルとしての認知行動療法
認知行動療法のスキルは、実際に治療重ね行くなかで、患者さん自身も学んでいくこととなります。
このことによって、回復したのち疾患の再発が起きそうになったときにも、患者さん自身で自分の感情をコントロールすることができるようになります。
うつ気分を弱める効果と、スキルとして認知行動療法を学ぶことで、
一時的ではなく、長い時間効果が持続するとされています。

自分の感情や考え方を客観的に捉えて、それらをコントロールするスキルは
精神疾患に関係する人々だけでなく、多くの人に必要とされるものではないでしょうか。

イギリスの国策も受けて、認知行動療法の認知度は世界で大きく高まっております。
日本でも、医療の現場だけでなく、教育、ビジネス界などさまざまな分野で注目されつつあります。

これを機に、心理学への教養を深めてみるのも良いかもしれませんね。
ビジネスマンには必須のスキルと言われるときがくるかもしれませんよ。

(執筆:Koh 監修:臨床心理士チャマ)

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