「何もしないで1日が終わってしまう……」憂鬱なときに読みたい胸アツ!!マンガ特選〜第1弾〜

「何もしないで1日が終わってしまう……」憂鬱なときに読みたい胸アツ!!マンガ特選〜第1弾〜

休日、もしくは会社や学校が早く終わったというとき、あなたは何をして過ごしますか?

どこかへ出かけたい、なにかをしたい、しかしどこへ行って何をすればいいのかいまいち決めかねて、友人からの誘いやイベント情報に耳を傾けてみてもいまいち気が進まず、結局家にいるうちに日が暮れている……なんてことになっていませんか?

休息の時間はもちろん大切ですが、何もせずに一日が終わってしまうと妙な罪悪感に駆られ、気分が落ち込んでしまう悪循環に苛まされてしまう危険も。

そんなときにオススメしたいのが「マンガを読む」こと。外へ出る気力がないとき、誰かに会うことがちょっとおっくうなときでも手軽に気分転換ができます。今回は特に「読むと胸が熱くなり、やる気や活力が湧き出る」ような「胸アツ」マンガをご紹介!

◆藤子不二雄A『まんが道』(中公文庫コミック版ほか)

藤子不二雄と言えば、藤子・F・不二雄氏と藤子不二雄A氏の二人一組で活動し多くのヒット作を世に送り出した超有名マンガ家。

今回ご紹介する『まんが道』は、藤子不二雄A氏単独名義の自伝的作品。お二人の出身地である富山県高岡市を舞台に、絵が上手な男の子、満賀(まが)くんと才野(さいの)くんのふたりが手塚治虫氏の作品に感銘を受け、マンガ家を目指し切磋琢磨していきます。その過程には当然衝突もあり、お金に余裕のない生活との折り合い、仕事と趣味(マンガ)の優先順位をどうするのか……など現実的な問題が山積み。

それでも二人はマンガへの情熱と憧れを忘れることなく、やがて上京してあの「トキワ荘」の住民へ仲間入りを果たし、さらに高みを目指します。子どもの頃に好きだったもの、憧れていたものをずっと同じ熱量で愛し続けるのは決して簡単なことではないでしょう。

しかしもし疲れてしまったとき、そうした純粋な気持ちを思い出し同じようにわくわくできるなら、今の生活へも違った見方が出来るかもしれません。

◆末次由紀『ちはやふる』(講談社、最新刊27巻)

少女マンガと聞くと「女の子が主人公で、イケメン男子に恋をしてキュンキュンドキドキ」というイメージを持つ人も少なくないのではないでしょうか。また、そのイメージから少女マンガと聞くだけで手が出せなくなる食わず嫌いならぬ「読まず嫌い」が起こってしまう人もいるかも。そんな人にもオススメしたいのがこの作品。

主人公である女子高校生の千早(ちはや)、イケメンの幼なじみの太一(たいち)と新(あらた)などいかにも少女漫画らしい設定が登場しますが、主題になっているのは「部活での成功」。そしてその部活というのは「競技かるた部」なのですが、まずは基礎となる百人一首の知識・勉強、大会本番へ向けての練習、精神的なぶれの調整、大会後の後悔・つらさ・苦しさを噛みしめ成長していく姿はスポーツマンガや少年マンガのような熱い気持ちを読者にもたらします。もちろんキュンキュン要素もあるため、老若男女問わず読んでもらいたい注目作。

◆安野モヨコ『働きマン』(講談社、最新刊4巻)

「新世紀エヴァンゲリオン」で有名な庵野監督の奥さんであり、数々のヒット作を飛ばす安野モヨコさんも『シュガシュガルーン』など少女マンガでの活躍が有名なマンガ家。しかしこの『働きマン』は多忙を極める週刊誌の編集部が舞台となっているため、少女よりも働く大人にこそ読んでもらいたい作品です。

特にオススメは、自分の夢である責任編集の座についた主人公の松方弘子(まつかたひろこ)が、かねてから実現したかった企画のために取材やライティングなど飛びまわる回。夢のために忙しくなる日々の中、仕事を分けていた部下が無断欠席から連絡がとれなくなり、頼りにしていた同僚も疲労によりダウン。

トドメに自らも体調を崩し、それでも点滴を打ちながらどうにか仕事をこなしていきます。夜中、一人きりのオフィスで死に物狂いで作業をし「いっそ投げだそうか」と心が折れかけた主人公が「でも先代たちはこういう時を乗り越えてきているんだ」と自らを奮い立たせるシーンは、心が折れそうなとき何度でも思いだしたい名シーン。

今回ご紹介した3作品はどれも、苦しいシーンがあっても読後にはさっぱりと前向きな気持ちにさせられるような力強さのあるものばかり。また、アニメや実写など映像化されているものもあるので、あわせてチェックしてみてください。次回はさらに3作品をご紹介します。お楽しみに!

(執筆:朔ひづめ, 監修:臨床心理士 鏡元)

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