『心理療法』って洗脳されるの?臨床心理士が解説します。

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近年では心理療法という言葉を日常生活の中でもよく耳にするようになりましたよね。
心理療法の技法は専門的知識も必要になるものもありますが、その中には私たちが日常生活のなかで使っていけるものもあります。
何か使えそうな手法はないかなあ、などといった観点で心理療法を見ていくと、面白い発見があるかもしれません。

そこで、心理療法のことをお話しする前にまずカウンセリングと心理療法の違いについてまずお話ししたいと思います。

カウンセリングと心理療法はよく混同されるのですが、実はこの二つは別のものです。

カウンセリングは広義で相談のことを指すので、治療的アプローチに関わらず、広く相手の話を聞き、対応していくことです。

一方、心理療法は治療的関わりが主となるものですので、専門知識に基づいて、治療的関わりをしていくことです。

では、心理療法に関して見てきましょう。

心理療法とは、「対話」を中心として、人の精神的健康(メンタルヘルス)の回復や維持、増進をはかるための理論と技法です。

ざっくりいってしまうと、私たちの精神状態を回復するための理論と技法ですね。

そして、その数は多く、精神分析や来談者中心療法、認知療法、行動療法、認知行動療法、家族療法やグループセラピーなどなど様々な心理療法があります。

・無意識に着目した精神分析
・傾聴に特化した来談者中心療法
・思考を整理していくような認知療法
・行動から変化を促していく行動療法
・そしてそれらを組み合わせた認知行動療法
・人間お関係性に着目した、家族療法やグループセラピー など

様々な心理療法がありますが、多くは「対話」を基本としているのです。

つまり、他者との会話のなかで、精神の健康を回復したり、問題解決を目指していこうというものに
なります。

各心理療法は一つ一つ、ココオルニュースで取り上げていきますので、ご興味があればぜひお読みになってみてください。

心理療法は専門的なもので、私には程遠い世界だと思われるかもしれませんが、体系的に学ばないまでも、心理療法の知識は私たちの日々の生活で役立つものがたくさんあります。

たとえば、先ほども出てきた「対話」の技術、これは言い換えれば、他者との会話の技術ですよね。

心理療法の「対話」の知識を用いれば、家族関係や社内での人間関係、恋人との関係をよりよくすることができるかもしれません。

強いストレスにさらされている時には、思考の整理に参考になる、認知療法やレジリエンス思考を取り入れてみてもよいかもしれません。

専門的な知識だからと抵抗を感じる必要はありません。
専門家でなくても、心理療法の技法を簡単にしたものが開発されていたり、本屋さんやインターネット上でも、一般の人むけに分かりやすく情報が提供されています。

自分が悩んでいたり、誰かが悩みをもっていて、物事がうまくいかないときに心理療法の知識が打開のきっかけにつながるかもしれません。

ぜひ機会があれば、心理療法のことを学んでみてはいかがでしょうか。

(執筆:Koh 、監修:鏡 元 )

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