子どもにとっては虐待!?『毒親』の3つのタイプとは

■毒親って何?

最近、耳にするようになってきた「毒親」。この言葉は、アメリカの精神医学者であるスーザン・フォワード氏の著書『毒になる親』から生まれた俗語だとされています。毒親とは“子どもの人生に悪く影響するような教育をしている親”と広い意味で捉えられています。今回は「毒親」と呼ばれてしまう人の特徴をご紹介します。

■肉体的暴力タイプの毒親

「毒親」の分かりやすい例として「肉体暴力タイプ」があります。教育やしつけを口実として子どもに体罰をするタイプです。

2002年に約36000人を対象にアメリカで行われた調査(Gershoff ET,2002)によって、体罰は子どもに様々な悪影響を及ぼすことが判明しました。体罰を受けた子どもは、一時的には親の命令に従うものの、後々、人に対する攻撃性が高くなったり反社会的な行動にはしりやすくなる傾向があります。さらには、精神的な病にもかかりやすくなるなどのマイナス面がみられるようです。

体罰を受けた子どもは、大きくなるにつれて友達や恋人、両親に暴力をふるう傾向もあるようです。親が「体罰は、愛のある教育だ」といくら主張したとしても、子どもの人生に悪い影響を及ぼしてしまうということもあります。

■精神的暴力タイプの毒親

子どもに暴力を振るってしまう親のタイプには、肉体的なものだけでなく「精神的暴力タイプ」の親もいます。このタイプは「体罰」ではなく、「言葉の暴力」により、子どもの心に大きな傷をつけてしまうことがあります。

「誰のおかげで飯が食えてると思ってるんだ!」
「お前を産んだのは間違いだった!」

といった言葉の暴力で、子どもの人間性を否定してしまうと将来的に、自分になかなか自信をもてなかったり
自尊心が低くなってしまうことがあります。

■放置タイプ(ネグレクトタイプ)の毒親

育児放棄育児怠慢といった児童虐待をしてしまうタイプになります。具体的には、以下のような行動が児童虐待にあたります。
・充分な食事を与えない
・学校にいかせない
・夏場、駐車場の車内の中に子どもを放置
・下着などの衣類の選択をせず、子どもを不衛生な環境におく

この放置タイプは明らかな「毒親」といえます。
子どもたちは、自分で自立して生きていく生活力は持ち合わせていません。だからこそ、最初は親が衣食住のサポートをしてあげる必要があり、それはかつて10年前20年前の親自身も同様です。
このようなサポートを怠れば、子どもの人生に悪影響を及ぼしてしまうことは火を見るよりも明らかです。

■過干渉タイプ

今回最後にご紹介する毒親のタイプは「過干渉タイプ」です。つまり、子どもの行動をコントロールしようとするタイプになります。子どもに英才教育をしようとされる親の方には「過干渉タイプ」が多いのかもしれません。

一見、子どもの人生を深く考えていて、愛情の深い親に見えるため、「毒親」なのか見極めにくいのが「過干渉タイプ」になります。具体的には以下のような特徴があるようです。
・子どもがやりたいと思うことでも、自分が望むことでなければさせない
・親に対する反抗を許さない
・子どもの失敗を過度に非難する
・子どもは一個人ではなく、自分の所有物と無意識に思っている

このような考え方のある親では、以下のような子どもの人生への悪影響が懸念されます。

・人の目を過度に気にする
・自尊心が低く、自分は自分だと思えない
・失敗をすることを過度に恐る
・考えや感情を表現することが苦手

「子どもの将来を思ってのこと」と親自身が思う理想の人生を子どもに強要しがちなのが、このタイプの毒親になります。子どもは親の所有物ではなく、一人の人間として尊重される社会にしていきたいですね。

(執筆:Koh, 監修:臨床心理士 鏡元)

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