ホルモンバランスが乱れるとうつ病になりやすい!?女性とうつ病の3つの関係

ホルモンバランスが乱れるとうつ病になりやすい!?女性とうつ病の3つの関係

●女性ホルモンの変動が激しい時にうつ病を発症しやすい

生理の時、妊娠中、出産した時。このような時に気が滅入りやすいという女性は少なくありません。特に出産後には情緒不安定になる人も多く、「マタニティ ブルー」と呼ばれています。また、閉経後、イライラしやすくなったり落ち込みやすくなったりする人も少なくありません。

生理、妊娠、出産、閉経。いずれもホルモンバランスが乱れる時期です。女性のうつ病は、女性ホルモンであるエストロゲンの変動が激しい時に発症しやすいとされています。エストロゲンの分泌量が減ると、精神を安定させる働きを担う脳内の神経伝達物質セロトニンが減り、うつ病を引き起こしやすくなると言われています。

●マタニティ ブルーと産後うつの違いに注意!

女性ホルモンのバランスが大きく乱れる出産。産後2~3日以内に表れる情緒不安定は「マタニティ ブルー」と呼ばれ、不眠、抑うつ、不安感、注意散漫などの症状が表れます。ただし、マタニティ ブルーとは一過性のものであり、10日ほどで落ち着くとされています。

症状が1ヶ月以上続き、周囲に対する興味を失ったり喜びが感じられなくなったり、不眠が続くようなら、「産後うつ」を疑った方が良いかもしれません。産後うつは、マタニティ ブルーと違って病気です。一人で我慢せずに医師の診察を受けてみてください。

産後うつは、子どもの精神的発達にも少なからずネガティヴな影響を与えることが分かっています。ですので、自分を大切にするということは、生まれてきた子どもへの配慮とも言えます。出産後、情緒不安定な状態が1ヶ月以上続くようなら、医師の診察を受けて深刻なうつ病にならないよう、心掛けましょう。

●専業主婦をとりまくさまざまなストレス

出産をきっかけに仕事を辞めて専業主婦になる女性は今でも少なくありません。仕事が楽しかった人にとっては、専業主婦になることがストレスを生むこともあるようです。職場とは異なる人付き合いを始めることになり、ご近所さんとの付き合い、公園デビュー、ママ友など、対人関係の築き方が異なることに戸惑う人も少なくないようです。

また、専業主婦になると、親戚との付き合いも増えることが多くなり、親戚とのトラブルも悩みの種になることも。家事をしっかりこなさなくてはならないし、もちろん子育てを頑張らなくてはならないということで、さらにどんどんストレスを溜め込んでしまう人も多いようです。

パートナーとの関係も出産をきっかけとして変わっていくこともあります。夫婦間のコミュニケーションが十分とれなくなると、ストレスが溜まりやすくなります

主婦特有の心の状態を「主婦症候群」と呼ぶこともあります。主婦症候群になると、キッチンに立つことにプレッシャーを感じたり、買い物に出かけるのが億劫に感じられたりします。家族の不在中に飲酒で気を紛らわす「キッチンドリンカー」になることもあり、うつ病を発症させる原因にもなります。

自分は専業主婦だからうつ病とは無縁だという思い込みを持たず、専業主婦がうつ病を発症することもあると理解し、自分を取り巻く環境にうまく適応できないと感じているようでしたら、自分を追い詰めすぎず、自分の心の健康を意識してみてください。

(執筆:木下書子, 監修:臨床心理士 鏡元)

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