強迫性障害とは
強迫性障害は、ある考えが何度も頭に浮かび、自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れず、わかっていながら何度も同じ確認をくりかえしてしまう状態のことをいいます。
特徴的なことは、何度も繰り返してしまう行動に対して、ばかばかしいと感じながらも、どうしてもやってしまうということです。
症状は強迫観念と強迫行為にわけられます。
強迫観念とは、頭から離れない考えのことで、それが不合理なものであっても、頭から離れず、不安を引き起こします。
強迫行為とは、その不安を取り除くために何度も繰り返してしまう行為になります。
代表的な例としては、以下のような3つがあげられます。
- 汚れを気にしすぎてしまい、何度も何度も手をあらう
- 玄関のドアの鍵を閉めたかどうか不安になり、何度も確かめに家にもどる
- 同じ手順で物事を行わないと気がすまず、そうでないと不安になってしまう
戸締りを例にあげて説明させていただくと
強迫観念が「あれ、鍵かけてきたっけなあ」
強迫行為は「鍵をしめたか確認に繰り返し家にもどる行為」になります。
手洗いや戸締りも気になってしまうことは、誰にでもたまにあることかもしれません。
しかし、強迫性障害とは、過度に気にしてしまい、無意味だとわかっていても、何度も同じ行動をくりかえし、生活にも支障が出てしまう状態になることなのです。
強迫性障害の原因
実は強迫性障害の原因はいまだ特定はされていないのです。
しかし、近年では、「セロトニン」という脳内物質が不足することによって、
脳が正常に働かなくなっているのではないかという考えが有力だとされてきました。
「セロトニン」は、脳の中の神経伝達物質の一つで、情報をコントロール、抑制し、精神を安定させる作用があります。
この脳内物質が不足すると、感情や考えにブレーキが利かなくなり、「イライラする」「不安を感じる」など症状が出てきてしまいます。
強迫性障害に関しても、不安に感じる必要のないことを、不安に感じてしまう。
恐る必要のないことを、恐れてしまうといった症状が脳内での「セロトニン」が不足することによって引き起こされているのではないかと考えられています。
以上のように、強迫性障害の原因は何度も確認しないと安心できない性格というわけではなく、脳が正常に機能しなくっていることが考えられます。
実際、脳内の「セロトニン」を増やす薬によって強迫性障害が治ったいう事例もあがってきています。
まだ、強迫性障害の原因は、確実に脳内の「セロトニン」不足によるものとは言い切れませんが、
先にのべた強迫性障害の症状にお悩みでしたら、精神科や心療内科に行くことをオススメいたします。
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