うつ病には、いくつかの種類があります。
1.症状の違いによる分類
2.症状の重さによる分類
3.初めてなのか、再発かによる分類
4.特徴的なうつなのかという分類
この4つが大きな分類ですが、他にもさまざまな分類の仕方はあります。
うつ病は、その周辺にある病気ともあわせると多岐にわたり、分類がなかなか難しい病気の一つと言えるでしょう。
たとえば躁うつ病とうつ病はうつ症状だけ見れば同じ病気に見えますが、実際には全く別の病気です。
しかし、似ているところもあるので、こういった気分や感情に関わるものは医学的には「気分障害」と言われます。
さて、その中でもうつ病ははDSM-Ⅳ-TRという手引きの診断基準に基づいて整理してみると、うつ病性障害には「大うつ病」と「気分変調症」がふくまれます。
そして近年では新型うつ病に代表されるこれらのカテゴリに当てはまらない非定型のうつ病というものもあります。
大うつ病はいわゆる一般的に考えられているうつ病です。「大うつ病」は「Major Depression」の訳語であり、『大』はうつ病が重いことを示しているわけではありません。
つぎに気分変調性障害ですが、これは軽症うつ病とでも言うべきもので、軽いうつ状態が慢性的に続くものをいいます。うつ病は数カ月から長くて半年ぐらいで回復することが多いのですが、軽症うつ病の場合は2~3年以上続くことが珍しくありません。
最後の非定型うつ病ですが、これは通常のうつ病に似ていますが、楽しいことなどのきっかけがあると、一時的に気分がよくなるタイプです。最近では新型うつ病と言われています。これはまだ新しいタイプのうつ病で、実態等がよくわかってないところがあります。
また、これ以外にも抑うつ症状より先に、頭痛、からだの痛みやしびれ、めまいなどからだの症状があらわれる仮面うつ病は、老年期に起きる更年期うつ病、幼児に起きる小児うつなど、さまざまな種類があります。
(執筆・監修:鏡 元)