【1つのことに集中してできる職業】
アスペルガー症候群の人は、特定のことに対するこだわりが強いとされています。
こだわりの対象への集中力は並外れたものがあります。
疲れを知らぬかのように集中して取り組みますので、こだわりを生かせるような職業がアスペルガー症候群の人には向いていると言えます。特定の領域への飽くなき探究心が仕事の原動力となるような研究者などは、アスペルガー症候群の人の適職の一つと言えるでしょう。
他の人が関心を抱かないようなことに対してどこまでも探求しようとする姿勢を持ち続けることができるのはアスペルガー症候群の人の強み
【臨機応変な対応が必要ない職業】
臨機応変な対応は、アスペルガー症候群の人の最も苦手とするところです。
アスペルガー症候群の人は想像力が乏しいため、想定外の事態が起きると激しく混乱してしまうことがあります。予想外のことが生じた時に対応しなくてはならないというのは、アスペルガー症候群の人にとっては難しいことです。
オペレーターや旅行代理店の担当者、営業などの仕事は、その場その場で対応を考えて自分の行動を変えていく必要があります。このような臨機応変な対応が不可欠な職業は、アスペルガー症候群の人には向かない場合があります。
アスペルガー症候群の人はルールを好み、決められたルールに従ってきっちりと物事をすすめていくことに強みを持っています。
たとえば、プログラマー、デザイナーなどの仕事であれば、アスペルガー症候群の人たちが活躍していける場合も少なくありません。
【対人関係が少ない職業】
アスペルガー症候群の人は対人関係に困難さを抱えてしまうことがあります。
暗黙のルールが分からない、場の空気を読めない、相手の表情を読みづらいというのが、アスペルガー症候群の人が抱えている問題です。
具体的な例で言うと、相手の人との雑談がアスペルガー症候群の人は苦手です。
「今日はどうだった?」というような問いかけに適当に答えるということが、アスペルガー症候群の人にはできません。
具体的に問われると、正直に答えます。
しかし、どのように答えたら良いかが具体的に分かるような問いかけでないと、アスペルガー症候群の人は答えに窮します。そのためにアスペルガー症候群の人は対人関係に強い苦手意識を抱いていることが少なくありません。
対人関係を元にした職業は、アスペルガー症候群の人にはあまり向いていません。
接客業、営業などは、対人関係を築くことに喜びを感じられる人でないと続けるのが難しく、アスペルガー症候群の人には向いていないかもしれません。
アスペルガー症候群の人にはこだわりをもって集中して取り組める、学者や技術者等の専門職、銀行の出納係のような正確さが要求される仕事、そして変化の少ない単純作業のような職業が向いているとされています。
(執筆:木下書子, 監修:臨床心理士 鏡元)
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