仕事するときに大切な3つのサポート アスペルガー症候群

仕事するときに大切な3つのサポート アスペルガー症候群

アルペルガー症候群の方には、「社会性」「コミュニケーション」「想像力」において特徴的な点があります。そのため、仕事をする際には「職場でのサポート」が大切になってきます。

「職場でのサポート」が必要ということは、アスペルガー症候群の方の能力が劣っているからだというわけではありません。むしろ、アスペルガー症候群の特徴に合った仕事の仕方をすれば、大きな成果を残すことも充分にあります。今回は、アスペルガー症候群の方の特性も踏まえ、どのようなサポートをすべきなのかをご紹介させていただきます。

アスペルガー症候群の特徴に関してはこちらをご参照ください。

●マニュアル化

やるべき仕事がいくつかある場合、アスペルガー症候群の人は自分で優先順位を決めるのが難しいとされています。

どこからしていけばいいのか、どの仕事をどのくらいすればいいのかを自分で判断することが困難であることが多いです。

アスペルガー症候群の人に対しては、やるべき仕事の優先順位を示したリストを渡すなど、具体的に順序だって説明していくということが支援になります。仕事の流れを決めてあげること、その流れを目に見える形で示すことの2点が大切です。

優先順位を決めても、口頭で指示しただけでは、アスペルガー症候群の人は混乱してしまうことがあります。

口頭で伝えられた内容をメモすることがは困難だからです。
口頭で伝えられた指示をメモするという行為は、聞くことと書き取ることの2つの作業の組み合わせです。この2つの作業を同時にこなすのは、アスペルガー症候群の人にとっては難しいのです。対策としては、口頭ではなく、作業の流れを書いたメモを渡してあげることが良いでしょう。

アスペルガー症候群の人は、同じ作業の繰り返しに強みがあります。

細かく指示をすることや、仕事内容をマニュアル化してメモにはまとめて渡すことがアスペルガー症候群の方の強みを活かすことにつながります。

一般的には、毎日細かくスケジュールを組まれていたら、息苦しさを感じることもありますが、アスペルガー症候群の人にとっては、細かくスケジュールを組まれている方がむしろ過ごしやすい環境になると言われています。

 

●複数のことを同時に頼まない

アスペルガー症候群の方は、複数のことを同時にこなすのが苦手です。それは、一度に1つのことに集中してしまう特徴が強いからです。例えば、電話を取りながらメモをするということなどがなかなかできません。電話を受けることと聞いた内容を書き取ることの2つの作業が組み合わされているからです。いくつかの作業の組み合わせになっている仕事については、1つずつこなしていけばいいように配慮していけるとよいでしょう。

1つのことを終えてから次の作業に取りかかれば良いということが理解できると、アスペルガー症候群の方はスムーズに仕事をこなしていきます。

●ジョブコーチをつける

アスペルガー症候群の方は、知的な問題は抱えていません。
しかし、場の空気を読んだり、対人関係での配慮をすることが苦手です。
そのため、アスペルガー症候群の方の特性を理解している人が上司や同僚にいることが望まれます。
アスペルガー症候群の方は、相手の表情や仕草から思っていることを読み取ることが困難です。

そのことによって、職場での対人関係に悩みを抱えたり、周囲から誤解されたりしやすいと傾向があると考えられます。

アスペルガー症候群の特性を周囲に説明できる人がジョブコーチとなって、アスペルガー症候群の方と定型発達の人たちとの橋渡しとなることが大切になります。

(執筆:Koh, 監修:臨床心理士 鏡元)

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