男女で異なるうつ病になる原因や症状

男女で異なるうつ病になる原因や症状

結婚感や買い物の時の行動、コミュニケーションの仕方など男性と女性には色々な点で違いがありますよね。

実は「うつ病」になる原因や症状にも、男性と女性には大きな違いがあるようです。

「厚生労働省 患者調査2011」によると、うつ病になる女性の人数は、男性よりも1.6倍ほどになっています。

しかし、「警察庁統計2011」によると、うつ病と関連性が強いと考えられる、自殺率は男性が女性の2倍となっています。

うつ病になる人は女性に多いいけど、自殺してしまうのは男性の方が多い!?

いったい何がこのような違いを生んでいるのでしょうか。

女性のうつ病が男性よりも多いのはなぜ?

女性のうつ病が男性よりも多いのは、うつ病を引き起こす原因となる要因が女性の方が多いからだと考えられています。

男性のうつ病の原因は主に「職場での悩み」なのに対して、女性は「妊娠」や「出産」、「育児」や「月経」のような、家庭や子どもの悩みも含まれてきます。

具体的には、女性にうつ病が多いのは、生物学的な原因と社会的な原因が考えられています。

生物学的な原因とは、簡単にいうと「女性ホルモン」のことです。

「女性ホルモン」がみだれている時には、精神的にも不安定になってしまいます。

「女性ホルモン」が大きく変化する、「月経」や「妊娠」、「出産」や「閉経」の時にうつ病にかかってしまいやすくなってしまうのです。

では、次に「社会的な原因」とはなんでしょう。

これは、近年増えてきている「働く女性」に関するものです。

職場と家庭の両立を強いられやすい「働く女性」には、大きなストレスがかかりがちになります。

もし、子どもが生まれれば、なおさら職場と家庭の両立が難しくなっていきます。

このように、女性には生物学的な要因や社会的な要因といろいろな角度からストレスがかかりがち。

女性のうつ病が男性よりも多いのもうなずける気がします。

男性の自殺率が女性よりも高いのはなぜ?

一見、女性にうつ病が多いことから、自殺率も女性のほうが高いように思えませんか。

しかし、自殺率は男性が女性の約2倍と圧倒的に男性のほうが高いのです。

内閣府の「平成25年中における自殺の概況」によると、自殺者の総数は27,283人で、そのうち男性が18,787人と全体の約70%を占めています。

なぜ自殺率は男性のほうが高くなるのでしょうか。

内閣府の「平成25年中における自殺の概況」によると男性の自殺の動機は「仕事やキャリア」に関するものが多いことがわかります。

うつ病になる原因も職場に関連することから男性の人生にとって「仕事やキャリア」がとても重要なものと考えられていることが推測できます。

いまの日本では、まだまだ社会的に男は「男らしく」していなければならない

経済的に成功しなければならない

などの考え方にしばられてしまっていて、「男らしさ」「男してやるべきこと」などといった責任感が重荷となり、呪縛のようになってしまい、思いつめてしまうのかもしれません。

(執筆:Koh, 監修:臨床心理士 鏡元)

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