AC(アダルトチルドレン)の思考にみられる共依存的特徴

AC(アダルトチルドレン)の思考にみられる共依存的特徴

アダルトチルドレンとは

アダルトチルドレンとは、家庭問題を抱える家族の中で育ち、それが原因とって成人した後も心理的外傷(トラウマ)を持っている方々のことを言います。病名や診断名ではありませんが、最近になってよく聞かれる言葉になってきています。

幼い時の経験が成人になってからの精神疾患の原因になっていることも多く、アダルトチルドレンであり、生き辛さを抱えておられる人たちは少なくありません。

家庭問題を抱える家族は、機能不全家族とよばれ、親がアルコール依存症やギャンブル依存症であることが代表的な例となります。
他にも、親からの身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト(無視)など様々な原因が挙げられます。

幼い頃から多くのストレスを感じてしまう

アダルトチルドレンは、幼い頃から多くのストレスを感じかながら生活を送ることになります。
親の機嫌をそこなってしまい虐待をされることを恐れ、家族内での良い子を演じなければなりません。
様々なストレスから自分を守るために、親に甘えたい感情なども押さえ込んで、親に迷惑をかけない良い子となるしかないのです。

このような環境で育つため、アダルトチルドレンは他者の感情に対してとても敏感になることが多いいのです。
学校にいっても、生徒同士のケンカを止めたり、先生からも気を使える良いことされるでしょう。
しかし、他者の感情にとても敏感であり、気を使う傾向が強くなりすぎて
自分の思いを表現することがなかなかうまくできなくなってしまいます。

幼い頃から他者の感情にアンテナを張り巡らせて育ってきたために、自分の主張をすることが苦手になっているケースが多いようです。

成人した後の影響

幼い頃からの習慣によって、他者からの評価にとても過敏になる、親密な人間関係をつくることが苦手、人間不信や自分の意見をうまく伝えられないなどの傾向が、成人した後も残ってしまうのがアダルトチルドレンです。

どのような場面でも、他者の顔色を伺い、自分の感情を押さえ込んでしまうのです。
このようになってしまうと、日々の生活の中でストレスを強く感じることとなってしまい、
アダルトチルドレンは精神疾患を持ってしまうことが多くなってしまうようです。

大切なことは自分の中に自分をもつこと

アダルトチルドレンは、他者からの評価を気にするばかりに、自分自身の自分に対する評価をすることができなかったり、
できたとしても、自分はダメだと自己評価が低いことが多いのです。
自分とはこういう人間なんだといったようなアイデンティティーを持てるような支援が、アダルトチルドレンが前を向いて歩いていくためには必要とされています。

アダルトチルドレンとは、その言葉のニュアンスから「子供のような大人」「大人になりきれていない未熟な人」などと誤解されがちです。ただ、意味することは全く異なります。幼いころから、問題のある家庭で育ち、強すぎる精神的ストレスを受けてきたことによって、本来育まれるはずだった正常な考え方を歪められてしまった被害者のことを指しますが、まだまだ世の中の理解などは得られていないのが実情です。

(執筆:Koh 監修:臨床心理士チャマ)

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