私たちが欲しているものはなに?マズローの欲求5段階説から考える

私たちが欲しているものはなに?マズローの欲求5段階説から考える

ココポイント

  • 日本社会で強くなりやすい欲求は「所属と愛情の欲求」「承認と尊厳の欲求」
  • 自分の欲求はどのようなものなんだろうと、客観的に自分をみれる
  • マズローによれば、私たちの欲求は順々に強くなっていく

●マズローの欲求5段階説とは

マズローの欲求5段階説という言葉をどこかで聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

マズローの欲求5段階説とは、人の欲求とはピラミッドのようになっていて、一番下の欲求から始まり、一定程度満たされると上位の欲求を持つようになるという説です。

1番下に位置する欲求が生理的欲求。1番上にくる欲求は自己実現欲求となります。

1.生理的欲求(85%) : 基本的な欲求である食欲や性欲、睡眠欲などのこと

2.安全欲求(70%) : 経済的安定や健康、生活環境の安定や安全をもとめる欲

3.所属と愛情の欲求(50%) : 何かに所属しているという感覚や他者との友情や愛情をもとめる欲

4.承認と尊厳の欲求(40%) : 他者から認められ尊重されること、自分自身を尊重できることをもとめる欲

5.自己実現欲求  : 自分の能力を最大限発揮できる、自分がなれるものになることをもとめる欲

また、マズローは上記のカッコ内のパーセンテージまで欲求が満たされれば、人は次の欲求を求めるようになると説明しています。

では、学問上の話はこれくらいにして、日本社会の現状に照らし合わせて、日本人はどのような欲求を現在満たしたいと思っているのか考えてみましょう。

●私たちは、今現在どの欲求がつよいのでしょうか

現在の日本社会では、不景気などと叫ばれていても、なかなか食べ物に困ることはありません。

ほとんどの方は住む場所もあるのではないでしょうか。今日住む場所がない、家がないという人、ホームレスになりそうで困っているという人は、それほど多い状況ではないのかなと思います。

現代の日本社会では、「食べ物が欲しい」「着るものが欲しい」「家が欲しい」といった生理的欲求や安全欲求は、比較的多くの人が満たされているのではないでしょうか。

では、所属と愛情の欲求承認と尊厳の欲求自己実現欲求という精神的な欲求はどうでしょうか。「友情や愛情がほしい」「もっと自信をもちたい/認めてもらいたい」「自分らしく生きたい」など、5段階のうち上位3つが、私たち現代人が欲しているものとして多いのかもしれません。

みなさんはどのような欲求をお持ちでしょうか。

もし現在、「なにか満たされないなあ」といったような感覚がありましたら、5段階のうちどの欲求なんだろうと考えてみてはいかがでしょう。

完全に当てはまらないとしても、自分の欲求の程度や状況をある程度明確化できれば、自分が一体どんな行動をすれば、満足感を感じられるのか見えてくるかもしれません。

また、自分の欲求バランスの傾向が分かれば、不満やストレスを感じた際の対処の仕方が分かるようになり、自分でストレスをコントロールもできるようになるかもしれません。

マズローの欲求5段階説だけではなく、心理学の考え方を用いて、自分自身を客観的にみることは、抱えている不満やストレスを解消するためにとても重要な切り口の一つになります。

客観的な自己分析ができるようになれば、現在抱えている悩みをどうすれば改善していけるか、解決の糸口も見つけやすくなるかもしれませんね。

(執筆:ニュース編集部, 監修:臨床心理士チャマ)

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