ポジティブ心理学はオーストラリアのシドニー大学で必修科目になるなど、欧米をはじめとして世界での認知度が大きく高まっています。
まだまだ、日本社会ではその認知度は高くありませんが、レジリエンス思考の書籍が多数出版されるなど、ポジティブ心理学の存在感は日に日に増しています。
ここでは、ポジティブ心理学とは何かということと特に注目を受けているレジリエンスに関して少し説明させていただきたいと思います。
ポジティブ心理学ときくと、一般にはポジティブシンキングを思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、ポジティブ心理学とポジティブシンキングは異なります。
ポジティブシンキングとは、「ネガティブな考え方をポジティブに変えよう」といった考え方です。
一方、ポジティブ心理学の考え方は「ポジティブもネガティブもどちらも大事、バランスよく考えよう」というものです。
なので、まったく異なっています。
同じように現在注目を浴びている認知行動療法の考え方も同様ですね。
心理学ですので、ポジティブに考えようというポジティブシンキングとは異なり、科学的な根拠に基づいて効果が実証されているのです。
ポジティブ心理学とは、アメリカのペンシルベニア大学のM・セリグマン博士によって創設されたも学問で、ウェル・ビーイング(幸せや生き甲斐)をいかにして育んでいくかを研究する心理学になります。
いままでの心理学は、精神疾患などの問題にいかに対処していくかを考えることが主流でした。
それに対して、ポジティブ心理学は精神疾患をお持ちの方だけでなく、多くの人々を対象にして、どのような考え方をすれば幸福感を増大できるのかなどを研究したものです。
・特に悩みはもっていないけど、あまり生き甲斐を感じないなあ
・不幸だとは思わないけど、自信をもって幸せだとは言えないなあ
このようにお思われる方は案外たくさんいらっしゃるかもしれません。
精神疾患がある方には治療法として、精神疾患がない方はより満ち足りた人生を送るための手助けとしてポジティブ心理学は有用かもしれません。
ポジティブ心理学で扱われているテーマは以下のようなものがあります。
・動機づけ
・自信
・目標と達成行動
・希望
・意味
・関係性
・フロー理論
・レジリエンス
・ピークエンドの法則
・PTG
他にもさまざまなテーマで、よりよい人生を育むための研究がすすんでいます。
では、レジリエンスとは何を意味するのでしょうか。
レジリエンスとは、様々な困難や逆境も柔軟に乗り越えていく力のことです。
そして、レジリエンスの強い人は、
1.回復力 2.緩衝力 3.適応力という特徴を持っているとされています。
レジリエンスのトレーニングでは上記の3つの力を身につけることが目標となっています。
簡単にまとめると、それぞれ3つの力は以下のように捉えられています。
回復力:困難な出来事や挫折の経験をしても、すぐに立ち直る力
緩衝力:強いストレスやプレッシャーにも押し負けない力
適応力:環境にすばやく適応していく力
このような力を身につけた思考、言い換えるとレジリエンス思考というものが様々な分野で注目されています。
とくに、ストレスを感じることの多いビジネスマンに有用なスキルとして多くの書籍が出版されております。
今後もココオルニュースで取り上げていきたいと思いますが、皆様もご興味があればぜひ一度書店に足を運んでみてはいかがでしょうか。