適応障害~休職・復職をするときに気をつけたい3つのポイント~

適応障害

●主治医の診断書はあくまでも参考

職場の直属の上司の一言で大きなストレスを抱え、適応障害を発症したという人も少なくないようです。

「自分では頑張っていたつもりなのに、その努力を認めてもらえなかった」「みんなの前で怒られた!」そうした思いが堪え切れない苦痛になって適応障害と診断されるような心身の不調を引き起こすと、休職中に順調な回復を見せていても、復職を本格的に検討する段階になって「あの上司とはうまくやれない…。部署さえ変われば!」と思うようになっても、不自然ではないでしょう。

主治医に「異動が必要」という診断書を書いてもらって、復職前の会社側の面接に臨む人もいます。しかし、異動がすんなりと認められるとは限りません。年度が変わる時なら、多少の人員転換もあるでしょう。しかし、会社にとっては、新入社員の配置が優先されます。

復職に際しては、同じ部署が原則としている会社も少なくありません。そのような会社では、仮に医師の診断書が提出されても、参考程度の役割しか果たしません。

●周囲の人の反応は?

適応障害の難しいところは、同じ環境でも十分に適応している人がいるということです。「同じ条件で働いているのに、どうして自分たちは頑張れて、あの人はダメなの?」という思いを周囲が抱きやすいと言えます。

適応障害では、抑うつ状態が終日続くわけではありません。休職中でも自分が好きなことならできます。その症状も、周囲が誤解を生みやすいと言えます。休職中に旅行した写真がブログにアップしてあるのを同僚や上司が見つけて、「休職中なのに⁉︎」と不快感を募らせるという話もしばしば聞かれます。

本人は、「自分は、休んだお陰でこんなに良くなりました!」という報告のつもりで写真をアップしているようです。しかし、毎日一生懸命に働いている同僚や上司は、違う感じ方をしているということも知っておくことが大切でしょう。

●異動先で再発しないためには

適応が難しくて病気になったわけですから、同じところで仕切り直しをするのは、相当のストレスになるに違いありません。異動が認められれば、それに越したことはないでしょう。最初から「ちょっと無理かも…」と感じていた部署なら、異動は大きな転機になりうるでしょう。

運良く異動ができたら、再発させないことが大切です。異動しても適応障害を発症した場合、自己評価が低くなります。周囲の評価も低くなり、退職せざるを得ない場合も少なくありません。

休職中に自分を見つめ直し、周囲との関係の築き方に偏りや歪みが無いか、見つめましょう。周囲と自分で、感じ方や考え方に違いがあるという事実を受け止めることも大切です。違いを受け止められるようになると、適応力も高まります。自分の生き方に幅が出ます。復職後の生活も楽になるでしょう。

「みんなが自分のような考え方をするわけではない」ということを受け入れることが、適応障害を再発させない近道かもしれません。

(執筆:木下書子, 監修:臨床心理士 鏡元)