親との関係がバロメーター?「摂食障害」の診断で病院で聞かれる3つの質問

摂食障害

●受診に至るまでの経過にも注意

摂食障害では、受診形態に3通りあります。

1.自分で「何か変!食べ物のことばかり考えている…。体重計に乗るのが怖い!周りからは痩せていると言われるけれど、自分では太っているとしか思えない。でも、体調が悪い。立ちくらみもするし、生理も不順。やっぱり、どこかおかしいのかな?」と思って、家族に付き添ってもらって受診した場合

2.自分でもどこか変だと感じるし、何とかしたいと考えて病院を受診する気になったけれど、家族、ことに親には受診したことを知られたくないと思って一人で受診した場合

3.自分では「フツー」と思っているのに、親が無理やり病院を受診させた場合
自分でも異常に気がついて家族と連携して病気を治そうという場合には、比較的治療効果が上がりやすいとされています。

しかし、自分だけ異常を感じていても保護者には受診を隠しておきたいという場合や本人が異常を自覚していない場合は、その状態を改善することから診察は始まります。

いずれの場合も、受診や通院によって自己評価が低下する恐れがあるからです。自分では「フツー」と思っているのに親に強制されて受診した場合は、病院に行った時点で自尊心が傷ついています。異常を感じて受診した場合でも、受診したことを保護者に隠していると、そのような状態に嫌気がさしてストレスが溜まり、自尊心の低下を招き、過食を引き起こすようです。

●摂食障害の診断ではみられるのは体重だけじゃない

摂食障害の診断では体重計に乗ることもあります。極度な痩せ方を具体的に知るためです。体重計にどうしても乗りたくない、数字を見たくないという人には、数字が見えないような配慮をして測ることもあります。

明らかな低体重が見てとれるのに、どうしても体重計に乗ろうとしない人もいます。そのような場合、医師は質問をしながら、さりげなく全身の様子を観察します。皮膚の状態、うぶ毛の生え方、吐きダコの有無などを確認し、摂食障害の可能性を慎重に検討します。

現在の体重だけでなく、希望体重も尋ねられます。低体重がはっきりしているのに、なおも体重減少を希望するなら、拒食症です。

拒食症が疑われたら、生理が止まっていないか、どのくらいの期間止まっているのかといったことも尋ねられます。過食の人の場合は、1ヶ月に2回生理があることも珍しくありません。生理不順に対して、何か治療をしているのかということも確認します。そのような治療に対してどのような思いを抱いているのかということも尋ねます。

摂食障害の人は、思考が食にとらわれている時、しばしば問題行動を起こします。それらも視野に入れないと、適切な治療はできません。多くの医療機関では問診票を用意して、どのような問題行動が起こっているのかも聴取します。

●摂食障害の診断では親との関係も重要になる

摂食障害を自分でも疑って病院を受診したものの、親とのことを尋ねられ、それが嫌で通院しなくなったという人もいます。

摂食障害には、周囲の環境も影響しているとの見方がなされています。特に小さい頃に親とどのような関係にあったかということは、摂食障害の発症と少なからず関係していると考えられています。また、治療は長期間に及ぶことも少なくありません。その間、家族が病気を理解し、支えることが必要になります。

摂食障害を発症した時のままの家庭環境では、たとえ症状が一旦治まったように見えても、再発する可能性があります。家庭全体で前進することが大切です。そのため、親子関係がどのようなものか、親に対してどのような印象を抱いているのかということも、診断に際しては尋ねられます。

(執筆:木下書子, 監修:臨床心理士 鏡元)