あなたの「嫌いな人」は、あなたにとって「貴重な存在」であるワケ

嫌いな人はあなたにとって貴重な存在

人間関係、人付き合いの問題は誰しも一度は悩まされたことがあるはず。他人と衝突し、分かり合えないまま関係が消滅してしまったときにはひどく傷つき「もうこんな思いはしたくない」、「気の合う人とだけ付き合うことができたら」と考えたことのある人もいるかもしれません。

とは言え現実では、自分の好きな人とだけ付き合うことは難しく、気の合わない人やあまり理解ができない人、もっと乱暴に言ってしまえば「嫌いな人」とも付き合わなければいけません。そう考えると憂鬱な気分になるかもしれませんが、実はあなたの「嫌いな人」があなたの人生に不可欠で、実はあなたを助けてくれる存在でもあるかも?

◆「嫌い」ってなに?

簡単に「嫌い」と言っても、そこには色んな感情が含まれます。好き嫌いの多い子どものように「なんだかいやだ」と根拠なくつっぱねる場合や、実際に受けた印象・扱いに基づいて「こういうところが苦手だ」と感じる場合、さらには腹が煮えくりかえりそうなほど苛立つ場合や、なんだか好きじゃないという程度で収められる場合などさまざま。

仕事や勉強の場においては「どうして嫌いなのか」という理由の部分は実はあまり関係なく、とにかく強い怒りや嫉妬、憎悪こそが重要な役割を果たします。あなたの周りに「とにかくいやだ!」「許せない!」など強い感情を持てる相手がいれば、その人は貴重な存在と言えます。

◆「嫌い」という気持ちの底力

嫌悪や反発などのマイナス感情は、時として尊敬や愛情さえもかなわないほど強い力を持ちます。不当な扱いを受けたときに湧き上がる怒り、はたまた相手が勝ち得た成果への嫉妬など、「むかつく」「くやしい」「ゆるせない」という気持ちは、他の一切が頭に入らないほど強い影響力を持ち、「怒りで身体が震える」など過激な表現で示されることもあります。

それらに飲み込まれて気持ちが乱れたとき、食事や酒、趣味などでむやみに「発散」するのではなくエネルギーに変えて改めて目の前の作業に向き合うことで困難を乗り越えていくたくましさを身につけることができるでしょう。

◆「追い込まれた状態」を作るチャンス!

悪い状態を建て直し、勢いづかせることをあらわす「起死回生」という言葉の「起死」「回生」どちらも死んだ人を蘇らせるという意味があることを考えると、勢いづいた良い状態を作るには一度最悪の状態に陥るということが前提になっています。

マイナスの感情が膨れあがり、収拾がつかなくなったときこそ「見返してやる!」「認めさせてやる!」と燃え上がるためのチャンスのとき。同じ感情を覚えたとしても「もういいや……どうせ自分は……」とふさぎこむ場合と、結末はあまりにも違います。

嫌いな人がいるからこそ、自分一人では保つのが難しいモチベーションを維持したり、よりスキルアップするための動力が湧いたりするのです。

苦手、嫌いなどマイナスな感情は誰しも長く胸に抱いていたくはないもの。しかし少し視点を変えるだけで重要な働きをする起爆剤に変化するため、憂鬱の種としてもてあますのでなく目標達成のためのエネルギーにしていきましょう!

(執筆:木下書子, 監修:臨床心理士 鏡元)