日本人の約◯%が強迫性障害!? ご家族に知ってほしい3つの支援方法

強迫性障害と家族の支援

●自宅では症状が現れやすい

日本人の約2~3%は強迫性障害の症状に悩んでいると言われます。しかし、「身近なところで強迫行為を行っている人は見たことがない」という人が大半ではないでしょうか。

強迫性障害の患者の多くは、自分がつまらないことを気にしており、自分が気になったことへの不安を解消しようとして行う行為は無意味なことだと分かっています。そのため、重症患者を除いて、他人の前では強迫行為を行うのは懸命に我慢していると言われます。

外では我慢している分、自宅では自分の気が済むまで儀式行為を行う人が非常に多いと言えます。自宅で繰り返し手を洗っていたり、トイレから出るたびに服を着替えたり、鍵掛けを繰り返し確認したりという行動が目についたら、早期に受診につなげたいものです。

●発症してから治療を受けるまでに時間がかかりやすい

強迫性障害を発症しやすい年齢は、男女で違いがあることが報告されています。男性は6~15歳、女性は20~29歳が発症しやすい年齢とされています。患者の男女比は等しいとされています。患者の3分の1から3分の2は、ストレスとなる重大な出来事を経験した後に発症したと報告されています。発症した原因が明らかな場合は予後が良いと言われています。

強迫性障害の患者の多くは、自分の症状について異常だとの自覚があります。他人に症状を話すのは恥ずかしいとの思いから隠し続けている人も少なくありません。家族にも内緒で強迫行為を行っている人もいます。強迫行為が見つかると、理不尽な理由をつけてごまかそうとする人もいます。

強迫性障害は、発症してから治療を受けるまでの平均期間が7年と長いのも特徴です。医療機関の受診には、家族の協力が欠かせないと言えます。

強迫行為は、脳炎、脳血管障害、てんかんなどでもしばしば見られます。診断を下すにあたっては、血液検査、頭部CT、MRI、脳波検査などを行うこともあります。

●家族が強迫性障害と診断された時に実行したい3つの支援方法

強迫性障害の治療には数年の期間が必要になります。自宅で症状がはっきりと現れやすい病気だけに、家族の協力が大切です。

1.本人が強迫行為を行うのを止めるように説得しないこと。

家族にとっては、つまらないことを気にして無意味なことをしていると見えることでしょう。本人にもその自覚があります。自覚しているのなら、簡単に止められそうなものだと考え、止めるように説得する家族がいます。しかし、分かっているのに止められないのが病気なのです。説得して止められるものではありません。説得されて、家族が見ていないところで強迫行為を行うようになることも少なくありません。

2.家族を巻き込むようなら、症状と巻き込まれた経緯を記録しましょう。

基本的に家族は強迫行為自体は手伝わないことが大切です。強迫性障害の患者の中には、自分が強迫行為を行うだけで済まずに、家族にも同じ行為を行うことを要求する人もいます。たとえば、自分が何度も手洗いをしないと気が済まない場合、家族にも手洗いを強要します。

本人が病気だと気づかない間はもちろん、病気だと分かったことで病気を理解しようとし、強迫行為を家族が手伝ってしまうことが少なくありません。しかし、家族が手伝うと、長期的に見て症状は悪化します。症状と巻き込まれた経緯をまずは記録しましょう。

3.記録をもとに本人に悪化の仕組みを理解してもらい、家族が手伝うことを減らしましょう。

家族が強迫行為を手伝うと、一時的に症状が緩和するように見えることもあります。しかし、症状は一層悪化してしまうのが普通です。家族は強迫行為を手伝わないことが大切です。症状と巻き込まれた経緯を記した記録をもとに、本人に悪化の仕組みを理解してもらいましょう。理解してもらったうえで、家族がしてあげることを減らしていくのが理想的です。

(執筆:木下書子, 監修:臨床心理士 鏡元)