新世代のうつ病からの脱出法!認知療法を超えた行動活性化療法とは何か

新世代のうつ病からの脱出法!認知療法を超えた行動活性化療法とは何か

行動活性化とは?

もしショックなことがあって落ち込んでしまったら何もしたくない状態になってしまいます。休息をとることで元気が出てくることもありますが、何度もいやなことを思い出して、逆にどんどん悪化していってしまうこともあります。

人間のやる気というものは、行動してから生まれることがあります。何かをしているうちに、それがきっかけとなりやる気が高まり、行動が活性化していきます。その原理を応用したのが行動活性化療法といいます。行動活性化では取り組む行動に注目し、自分にとってふさわしい行動や活動を意図的にすることで気分をコントロールしていきます。

行動活性化の仕組み

何かしらの行動やアクションを行う事で気分が晴れたり元気になり、そのおかげで今まで何もできなかった状態に少しずつエンジンがかかっていく事があります。何もできない状態だから困っているのではないかと思うかもしれませんが、出来る行動のレベルを小さな所から始めればいいのです。

いくら落ち込んでいても、ご飯を食べたり、お風呂に入ったり、寝たりなど人間は生活に必要な行動となればやる気が無くてもその為に勝手に動いているはずです。行動活性化ではそこに着目し、出来る範囲の行動から自分にとって良い効果をもたらす行動を意図的に取り組んでいきます。

行動活性化のチェックするところ

まず、自分がこれまでどんな行動をとったら気分を変えられたか考えてみましょう。それらを紙などにリストアップしていきます。そして、その行動を今度は意図的に使ってみましょう。

その際に、気分が行動の前と後ではどのように変化したかを見ましょう。それにより、その行動は自分にとってどんな効果や影響があるかを知り、最終的にはそれらの行動を自分から行い、自分の気分の調節をしてみましょう。

事前の気分より事後の気分が良くなっていれば、その行動には気分を活発化させる力があると考えられます。

気分を改善するような行動を新しく作り出すコツ

それは、、、なるべく何か楽しい、または達成感のある行動を選ぶこと。

なかなか自分にとって良い行動が見付けられないときは、とりあえずは全体的な行動観察を行い、それなりに気分がましであった時の行動やその理由から、それらキーとなる行動を決めていくことになります。

行動活性化における注意点

どんな行動でも自分の気分が改善されればそれで良いというわけではありません。例えば、不安にかられて行う行動や、逃げ道として衝動的にしてしまう行動(これらを”回避行動”と言います。)はしない方が望ましいです。

例えば、、

”仕事を休んで考えるのを避けるために、ひたすらネットやゲームをしている”

などは回避による活性化の可能性があります。

これらがあまり良くない理由としては、確かに一時的には気持ちを楽にさせるかもしれませんが、衝動的に行ってしまう行動なので依存しやすく、自分自身をコントロールすることが出来なくなってしまうからです。

何かの行動を行う時は、意図的に、時間などを決めて行うよう心がけましょう。

(執筆:ニュース編集部, 監修:臨床心理士 鏡元)

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