■アサーションとは
アサーション(assertion)とは、日本語の意味としては、断言、断定、主張といった意味になります。
今回の記事で用いる意味合いとしては、人間関係に対して適切に状況や相手の気持ちなどを考えた上で行う自己表現または自己主張のことを言います。
■アサーションが必要な場面
アサーションのスキルが必要になる場面は、主に人との交流を行うシーンです。個人的な友達だったり、まだあまり話したことのない知り合いだったり、親や先生だったりと様々な人間関係のシーンで必要となってくるスキルです。
私たちは時として、1対1で話をしたり、何人かの人がいるグループの中で話したり、または大勢の前でスピーチのような形で自分の意見を話す機会もあります。
その他には、対面でのコミュニケーションの機会だけではなく、手紙やインターネットを通したコミュニケーションを行うこともあるので、その時々により必要なアサーションの種類も変わっていきます。
■コミュニケーションの種類
アサーションの理論では、対人関係におけるコミュニケーションには3つの種類があると言われています。それらは以下の通りです。
アグレッシブな方法:
アグレッシブとは、攻撃的という意味。つまり、相手の気持ちを考えず、自己中心的に自分の意見を言うやり方です。
頭ごなしに自分の意見を伝え、相手が間違っていると思ったらすぐに怒ったりわがままを言ったりするなどのコミュニケーションでは相手と良い関係を築くことは難しくなるでしょう。
ノンアサーティブな方法:
アグレッシブな方法とは違い、相手が自分の気持ちを言わなくても分かってくれるだろうと考えたり、自分の意見をまったく相手に伝えずにいるコミュニケーションのことです。
自分の意見を言わないことで気持ちや感情を抑制し、ストレスになるばかりではなく、相手に恩を着せてやったと思ったり、人の気持ちも知らないでと逆恨みしてしまうケースもあります。
アサーティブな方法:
上の二つのバランスを取った自己表現をアサーティブ、すなわちアサーションと言います。
自分の考えや気持ちを捉え、それを正直に伝えること。そして、相手の反応を受け止めることを指します。
■アサーションのやり方
人とのコミュニケーションは思い通りに進むとは限りません。たとえ正直に思いを伝えたとしても、相手も同じように自己表現をし、同意をしてくれたりしてくれなかったりするからです。
そのため、アサーションを行おうとする場合は、お互いの考えや気持ちの共通点や違う点をきちんと意識し、それを踏まえて歩み寄りながら理解しあうことが大切です。
お互いに意見や考えが一致すればラッキーなことですが、もしそうでなければ一時的に葛藤が起きるかもしれません。それでも相手に無理に折れたり遠慮したりせず、面倒くさがらずに双方が納得できる結論を出すことを目指していきましょう。