●対人恐怖症ってなに?
対人恐怖症という病気を知っていますか。聞いたことがある人はいらっしゃるかもしれません。対人恐怖症は10人に1人2人かかる身近な病気です。この病気について少しお話をしたいと思います。
●対人恐怖症の症状
対人恐怖症は社会不安障害とも言われています。過去の人前での失敗経験などから大勢の人の前で話したり、初対面の人を恐れたりします。このようなことは誰にでもありますが、これにより仕事に行くことがつらくなったり、緊張や震えが起こることで日常生活に支障をきたす場合は対人恐怖症という診断がなされます。不安や恐怖の対象は人によって違います。どのようなものがあるか何例か紹介したいと思います。
・スピーチ恐怖
会議やスピーチをする際に頭が真っ白になってしまう、声が震えるなど強いプレッシャーを感じてしまいます。人前に立つ機会が増えた人に多くみられ、ほかの状況では特に不安を感じません。対人恐怖症のなかでもこの症状を訴える人は非常に多いです。
・赤面恐怖
人前に立つと顔が赤くなったり、人に注目されることに対して過剰に意識してしまったりして人前を避けたりする症状です。
・対人緊張
対人恐怖症の典型的な症状です。他人との付き合いやコミュニケーショのとりかたに悩む、他人の存在を強く意識してしまい、緊張感や苦痛を感じてしまうなどの症状があります。
・視線恐怖
視線恐怖には2つのタイプがあり、人が自分を見て噂をしているように感じたり、監視されている気がするなど、他人の視線が怖いタイプと自分の視線が他人に不快感を与えるのではないかという自分の視線を気にするタイプがあります。
・電話恐怖
電話が取れない、電話が鳴ると動揺し、電話口で言葉が出てこないなどの症状があります。
・振戦恐怖
お客さんにお茶を出そうとして手が震えてしまうなど、人と接するときに体が震えてしまい、それが気にし、そのような場面が怖くなってしまうなどの症状があります。
・自己臭恐怖
自分の体臭が周囲に不快感を与えているのではないかと気にして人を避けるようになってしまうなどの症状があります。
このようなことが気になるのは少なからず誰でもあると思います。しかし、これが日常生活に支障が出るようになると対人恐怖症と診断されます。もし、このような症状で悩んでいる方は専門機関での受診をお勧めします。