もしかして自閉症⁉︎お母さんが気づいてあげたい3つのサイン

もしかして自閉症⁉︎お母さんが気づいてあげたい3つのサイン

●赤ちゃんの頃から感じられる違和感があります

自閉症の症状は3歳くらいに出揃うと言われています。自閉症は3歳児未満では診断がつかないため、自閉症の診断が確定するのは3歳を過ぎてからが一般的です。子どもの発達には個人差がありますので、あまりに幼いうちは「もう少し様子をみましょう」ということになります。

しかし、後日自閉症と診断された子どもの中には、赤ちゃんの頃からお母さんには違和感が感じられたという症状を示す子どももいます。定型発達の子どもには見られない症状。どのような症状が見られたら、自閉症が疑われるのでしょうか?

●お母さんが気づいてあげたい3つのサイン

早期発症タイプの自閉症では、次の3つのサインが認められます。

1.動作共鳴がなされない。

動作共鳴とは、相手と同じ動作をするということです。たとえば、お母さんが口を開けたら赤ちゃんも口を開けるというようなことを「動作共鳴」と言います。動作共鳴は生まれてから20分しか経っていない赤ちゃんにも認められることが報告されています。動作共鳴は、感情共鳴の原点と推測されています。動作共鳴がなされないようなら、注意が必要です。

2.お母さんと目を合わせようとしない。

生まれたばかりの赤ちゃんでも、部屋が薄暗かったりして不安を感じると、お母さんの顔や目を一心に見つめると言われています。母親が刷り込まれ、お母さんのそばにいれば安心できるという脳の機能が生まれているからだと考えられています。しかし、早期発症タイプの自閉症児は、お母さんと目を合わせようとしないことが指摘されています。自閉症児は、周囲のものが恐怖心を起こさせるために、周囲を見ようとしないのだろうと考えられています。母親の刷り込みがうまくなされていないと、お母さんを見ても安心感が得られず、目を合わせようとしないのではないかと言われています。

3.お母さんの抱っこを嫌がる。

赤ちゃんが抱っこを嫌がることはあります。眠かったり抱っこの仕方が下手だったりすると、抱っこされても気持ちよさそうにしません。しかし、お母さんの抱っこを嫌がる素振りがしばしば見られたら、自閉症を疑う必要があるでしょう。ただし、諦めずに繰り返し抱っこすることで、次第に赤ちゃんは「お母さんになら抱っこされても怖いことは起きない」と学んでいきます。そして、少しずつ信頼が生まれてきます。お母さんがそばにいてくれさえすれば怖いものは何も無いというような絶対的な安心感は生まれてきませんが、少しずつ信頼が赤ちゃんの中に生まれてきます。

●自閉症の赤ちゃんが常同反復行為を好むのはなぜ?

自閉症と後日診断された子どもは、赤ちゃんの頃から単調に繰り返す物を眺めることに熱中します。自分の手をヒラヒラさせたり、指をパタパタさせることに興じることも少なくありません。

単調に繰り返す物や動作は、一旦安全が確認された物や動作です。そうした物や動作を眺めることで、他の恐怖心を起こさせるような物から自分を守ることができます。ストレスとなる周りの世界からの刺激を無視するために、自閉症児は常同反復行為を好むと考えられています。 絶対的な安心感を与えてくれる存在をお母さんの代わりに常同反復行為に求めていると言えるでしょう。

もし自閉症が疑われる場合であれば、病院へ相談に行きましょう。

(執筆:木下書子, 監修:臨床心理士 鏡元)

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