アスペルガー症候群の人との恋愛で心がけたい3つのこと

アスペルガー症候群の人との恋愛で心がけたい3つのこと

●アスペルガー症候群かもと思われる人と恋に落ちたら心掛けたい3つのこと

アスペルガー症候群は知的な障害が伴いません。そのため、子ども時代に見過ごされ、診断を受けずに成長している人は少なくありません。ユニークさに惹かれて、あるいは優しさに惹かれて恋に落ちた相手。

その相手に対して、次第に違和感を感じ、「もしかしたらアスペルガー症候群かもしれない。でも、好きだから、別れるつもりはない。」と思ったら、次の3点に注意しましょう。

1.「これくらい察してよ!」という期待は抱かないこと。アスペルガー症候群の人が最も苦手とするのが、相手の表情や仕草から思っていることを察することです。しないのではなく、できないのです。伝えたいこと、分かってほしいことがあったら、率直に言葉にして伝えましょう。

2.否定的な言葉を感情的に投げつけないこと。察してもらえないもどかしさから相手の人格を否定するようなことを言うのは控えましょう。アスペルガー症候群の人は、自分が相手からどのように思われているかということにとても敏感です。また、記憶力も良いので、一度言われたことは長く忘れられずに苦しみます。

大声で言われると、内容のいかんに関わらず、怒られていると感じやすいとも言われています。嫌なことがあったら、何が嫌なのか、どうして嫌なのかを説明しましょう。説明されれば、アスペルガー症候群の人は受け入れることができます。

3.デートには遅れないようにしましょう。アスペルガー症候群の人は待つのが苦手です。予定が狂うと、混乱しやすいと言えます。待つ時間を普通の人よりも辛く感じるようです。約束の時間はきちんと守るようにしましょう。

●アスペルガー症候群の人が恋に落ちたら心掛けたい3つのこと

アスペルガー症候群だから恋ができないということはありません。しかし、相手が自分と同じ感じ方、考え方をしているわけではないということを前提に行動することが求められます。

アスペルガー症候群の人が恋愛を成就させるには、次の3点を心に留めておきたいものです。

1.自分の気持ちを先行させないこと。相手の表情や仕草から相手の感情を読むことが苦手なアスペルガー症候群の人は、相手が出しているサインを理解するのが苦手です。気づかないことが非常に多いと言えます。

自分の感情を先行させて相手を戸惑わせることも少なくありません。告白したら手をつないでいい、手をつないだらキスをしても構わないと自分の中で順序立てていても、相手にとってはまだその段階に達していないということもあります。相手の気持ちを丁寧に確認することが大切です。

2.要求はストレートに言葉で伝えてもらうようにすること。恋愛ではまどろっこしいと思われるかもしれません。しかし、アスペルガー症候群の人にとって、相手の気持ちを表情や仕草から汲み取るのは非常に困難です。すれ違いを生まないよう、要求はストレートに言葉で伝えてもらうことが大切です。

3.マニュアル通りに行くと思わないこと。恋を知り始めた人間は誰しも恋の仕方を小説や映画に学ぼうとするものです。どのように行動したら良いのかを小説や映画に学ぼうとすることは多くの人が経験することです。しかし、同じことをしたから、同じような結果になるとは限りません。

アスペルガー症候群の人はそのことを肝に銘じておくことが必要でしょう。一つ一つの場面で、相手に誠実に愛情を持って接すること。その積み重ねが恋愛を通して自分と相手を成長させることでしょう。

(執筆:木下書子, 監修:臨床心理士 鏡元)

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