●ADHDが疑われる人とは?
社会人となって緊張の連続。
毎日新しいことを覚えなくてはならない生活に疲れてきたのか、仕事でミスの連続。
「同期入社のみんなは順調に職場に慣れてきた様子なのに、どうして私は他の人みたいに仕事がさばけないの?」そうした悩みの背景にADHDがひそんでいることもあります。
最近の6ヶ月間を振り返ってみてください。
次の1から6のなかであなたに当てはまる項目はいくつあるでしょうか?
1.物事を成し遂げる際に一番難しいところは乗り越えたものの、詰めの段階になってから集中力が保たないことが時々ある。
2.きちんとした計画を立てて行う必要があることを成し遂げる際に、順序立てて作業を行うのが難しいことが時々ある。
3.約束や用事を忘れたことが時々ある。
「時々」というのは個人差もあるでしょう。おおよそ10回に5~6回以上と考えてみてください。
4.じっくり考えてから行わねばならないようなことは、取り掛かるのが面倒になって取り掛かるのを止めたくなることがよくある。
5.長時間黙って座っていなくてはならない時には、しばしば貧乏ゆすりしてしまう。
6.何かしなくてはならないという衝動に駆られたり、モーター仕掛けで動くように異常に活動的になることがよくある。
「よくある」とか「しばしば」というのも個人差が大きいでしょう。
10回に7~8回以上をおおよその目安にしてみてください。
4項目以上該当した場合は、大人のADHDの可能性があります。
専門の医師の面接を受けてみると良いでしょう。
専門の医師の診断を受けることで、日常的な困りごとにどう対応したら良いのかが分かるようになります。
●診断してくれそうな病院を探すには
ADHDの診断をしてもらうには精神科を受診しましょう。
病院探しで頼りになるのが発達障害者支援センターです。
「まだ発達障害と決まったわけでもないのに、発達障害者支援センターに行くのは気が進まない。」という方は、市町村の保健センターに相談してみてもよいかもしれません。
精神科の医師といっても、全員がADHDを診断できるとは限りません。
事前に市町村の保健センターに相談しておくと、「どこの先生なら、割合気楽な感じで診てもらえる」というような情報も入手できることもあります。そのような病院をいくつか紹介してもらい、事前に電話をしましょう。大抵の病院は予約制です。また、予約待ちが数ヶ月ということも少なくありませんので必ず事前に電話を掛けましょう。
●診断を受けるには
ADHDの診断をするには、最低でも2~3回の受診は必要です。
類似した症状を引き起こす他の疾患との鑑別を行うために、問診や知能検査の他に血液検査やMRIなどの画像検査を行うこともあります。病院によってはMRIは別の提携医療機関で行うというところもあるようです。診察を受けるに際しては、可能な限り自分の成長過程が分かるような物を持参していけると良いでしょう。
例:母子手帳、3歳検診などの資料、幼稚園や保育園の連絡帳、小学校・中学校・高校の通信簿など
できるならば、自分の小さい頃のことを知っている親に同行をお願いしてみましょう。一緒に行ってもらうことが無理なら、自分が小さい頃、どのようなことで困ったかということをメモしてもらっておいてもよいかもしれません。
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