●ADHDとは
最近よく聞かれるようになったADHD。日本語では「注意欠陥多動性障害」と呼ばれています。英語でAttention -Deficit /Hyperactivity Disorder。単語の頭文字をとってADHDと呼ばれています。
ADHDは、多動性、不注意、衝動性を特徴とする発達障害です。以前は子どもに特有の障害と思われていました。子どもは多かれ少なかれ落ち着きなく動き回り、不注意なことが多いからという理由からです。
しかし、継続調査によって、大人になっても日常生活で困難さを抱えている人が少なくないことが明らかになってきました。
現在では、ADHDは発達障害の1種であり、大人に対しても適切な支援が必要だと考えられています。
ADHDの原因はまだ解明されていません。大脳の前頭前野で神経細胞間の情報伝達がうまく機能していない可能性があると言われています。前頭前野とは、記憶をまとめたり、感情をコントロールする場所です。
●子どものADHDの特徴
ごく幼いうちにはじっとしていられなくても仕方がないとして、ADHDを疑うことはあまりありません。
じっとしていなければならない場面が増える就学前後から、落ち着きのない子どもに対してADHDの可能性を疑う声が上がるようになると言われています。
・座っているべき時に落ち着いて座っていられずに歩き回る、
・遊びにおとなしく参加することができない
・おしゃべりがひどい
・質問が終わらないうちに答えてしまう
・順番を待つことが難しい
・他の人の話をさえぎる
・他の人がしていることを邪魔する
・注意を集中し続けることが難しい
・不注意な間違いが多い
・気が散りやすい
・忘れ物やなくし物が多い
・興味のあることに集中しすぎてしまうために切り替えが難しい
子どものADHDでは、このような症状が指摘されています。もっともこのような症状がすべて見られるわけではありません。ADHDは3つのタイプに分けられるとされます。
多動で気分の波が激しい活発なタイプ、多動ではなくて内面だけが混乱する優柔不断なタイプ、完璧主義でこだわりが強いために共同作業が苦手なタイプの3つです。
●大人のADHDの特徴
大人のADHDは大人になって発症するものではありません。子どもの頃から生き辛さを抱え、自分なりの工夫をして努力していても状況が改善されないのが実情です。
大人のADHDでは、子どもの頃からの訓練によって多動性はある程度抑えられるようになっている人が多いと言えます。
・思ったことをすぐに口にしてしまう
・衝動買いをする
・ケアレスミスが多い
・忘れ物やなくし物が多い
・約束を守れない
・時間の管理が苦手
・片付けられない
・作業を順序立てて行うことが難しい
・落ち着かずに貧乏ゆすりする
・安定した人間関係を築くのが苦手
大人のADHDでは、この以上のような症状が指摘されています。
ADHDの人は自分の言動が周囲に受け入れられないことに気づいています。そのことに悩んでいます。症状をコントロールするという発想よりも、特性に合わせた環境を整えるように周囲の人もサポートすることが大切でしょう。
注意をそらす物を周りに置かない、課題を与える時は混合しないように頃合いを見計らって与えるなど、ちょっとした配慮で、ADHDの人も生活しやすくなります。
【関連記事】
薬を上手に利用しましょう!大人のADHD
ADHDのかたの必読書!?『今も元気なトットちゃん』
やっぱり病院に行った方が?ADHDの不安があったら
発達障害に対応できる病院
仕事でミス連発!ひょっとしてADHD!?
『何度言ったら分かるの⁉︎』って言わないで