待ち合わせがうまくできない!もしかしたら大人のADHD⁉︎

待ち合わせがうまくできない!もしかしたら大人のADHD⁉︎

●ADHDは子どもだけの障害ではない

不注意、多動性、衝動性という問題を抱えるADHD。

以前は子どもの障害と考えられていて、子どもの頃にADHDと診断されても、大人になると症状が軽くなるとか治ってしまうと言われてきました。現在では、このような考え方は誤りであったとされています。

大人になっても不注意、多動性、衝動性が残る人は50~80%ほどいるとされています。

うっかりミス、そそっかしい、忘れ物が多い、集中が長続きしないといった症状は、大人になっても残る場合が多いとされています。集中が長続きしないと、待ち合わせもうまくできません。待ち合わせに間に合うように行動するには、実は高度な計画性が必要になります。移動に必要な時間や身支度をする時間等を考え、待ち合わせ時間から逆算して出掛けることが必要です。出掛けるまではもちろん、待ち合わせ場合に着くまで、計画通りに動くことが求められます。ADHDの人は、しばしば途中で他のことに気をとられてしまいます。

待ち合わせがうまくできないということの背景には、もしかしたらADHDが潜んでいるかもしれません。

●誤解されやすい大人のADHD

計画性をもって行動するのが難しい、時間管理が苦手、家事がうまくできない。

大人のADHDは、こうした問題から気づかれることも少なくないようです。
社会人になった時、ミスが増えて周囲に迷惑を掛け、居た堪れなくなって転職を繰り返す人もいます。女性では、結婚してから家事がこなせないということで、悩みを抱える人も多いようです。ADHDという自覚が無いまま、自分を責め、自信を失ってうつ病や不安障害を発症する人も少なくありません。アルコール依存症やギャンブル依存症を治療する過程でADHDだと指摘されたという人もいます。

うつ病の治療をしていてなかなか改善されないためにADHDだと分かったケースも多いようです。

●大人のADHDだと分かった時に心掛けたい10のこと

大人になっても症状がなくなるわけではないことに、ADHDの人は困っています。

周りから「怠けている」「だらしがない」と誤解されて傷ついています。

大人になってADHDだと分かった時には、次のことを実践して周囲との摩擦を避けるように心がけると良いでしょう。

1.指示は短く簡潔に出してもらうようにお願いしましょう。簡潔な指示にすることで記憶が混乱しなくなります。

2.思いついたことを口にする前に10数えてみましょう。対人関係のトラブルを減らせるはずです。

3.計算や書類作成など苦手なことについては、他の人にチェックをお願いしてみましょう。

4.大失敗したことは「してはいけないこと」ルールとしてメモしておきましょう。

5.困った時は、自分だけで解決しようとせずに家族や友人を頼りましょう。頼ることも一つの勇気です。

6.壁のポスターやテレビの音声など、集中の妨げになるものを取り除くようにしましょう。

7.イライラした時に一人になれる場所を確保しておきましょう。

8.メモ帳や携帯電話のアラーム機能を活用して計画性を補うようにしてみましょう。

9.予定は共有ボードに書き出しておき、家族に一声掛けてもらうように頼んでおきましょう。

10.出掛ける際に必要なものはできるだけまとめておき、置き場所を決めておきましょう。

障害を受け入れることは難しいことでしょうが、家族や友人に助力を求めることも大切です。

障害を自分だけで克服しようと頑張りすぎるより、症状を打ち明けて周囲に助けてもらいつつ症状を緩和させる方がストレスの少ない生活を送れるのではないでしょうか。

(執筆:木下書子, 監修:臨床心理士 鏡元)

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