発達障害者支援センターとは?

発達障害者支援センターとは?

発達障害に関する相談にのってくれるのが「発達障害者支援センター」になります。

今回は、具体的にセンターがどのような支援をしているのか、ご紹介いたします。

 

●発達障害者支援センターとは

発達障害者支援法が2004年に施行されたのを受けて、全国につくられたのが発達障害者支援センターです。

発達障害の子どもと大人への支援を総合的に行うことを目的にした専門的な機関になります。

都道府県や指定都市、または都道府県知事が指定した「社会福祉法人」、「特定非営利活動法人」等が運営します。

支援センターでは、発達障害の子どもと大人、発達障害者の家族が豊かな生活を送れるようにさまざまな支援を行っています。

保健、医療、福祉、教育、労働など、発達障害の子どもと大人を取り巻く学校や会社などの関係機関と連携し、地域における総合的な支援ネットワークを構築しています。

発達障害者支援センターの役割は、大きく分けて以下の4つあります。
・相談支援
・発達支援
・就労支援
・普及啓発/研修 

●相談支援と発達支援

発達障害をもつお子さんや成人の方、発達障害者の家族からのさまざまな相談に応じるのが、相談支援と発達支援です

コミュニケーションや行動面で気になること、幼稚園や保育園、学校、職場などで困っていることに関するさまざまな相談に応じます。

必要に応じて福祉制度の紹介をしてくれます。

福祉制度の利用方法も発達障害支援センターで知ることができます。

支援センターでは、保健、医療、教育などの関係機関への紹介も行っています。

相談を受けて関係機関につなげてくれるのが相談支援だといえます。

発達障害の子どもや大人は、家庭内でも生きづらさを感じることがあります。

家族も、発達障害の子どもや大人への対応方法で悩むことが少なくありません。

相談を受けて家庭での療育方法をアドバイスするのが発達支援です。

また、支援センターでは、知的障害や生活スキルに関する発達検査なども行っています。

障害の診断をどこで受けたらよいか困っている時には、発達障害者支援センターに相談することをおすすめいたします。

 

●就労支援と普及啓発・研修

大人の発達障害者が最も困るのが就労です。

就職活動を始めて障害の疑いを抱くようになった人、一定期間就労して対人関係でトラブルを起こして発達障害と診断されたという人も少なくありません。

就労を希望する方から相談を受け、発達障害者支援センターでは、公共職業安定所や職業センターなどの労働に関係する機関と連携して情報提供を行います。

必要に応じて、センターのスタッフが就労先や学校を訪問して障害特性や就業適性に関する助言を行うこともあります。

また、障害をより多くの人に理解してもらうために地域住民向けの講演会を開催したり、発達障害の特性や対応方法を分かりやすく解説したパンフレット、チラシなどを作成したりしています。

発達障害を支援する関係機関の職員や自治体の職員などを対象とした研修も行っています。

(執筆:木下書子, 監修:臨床心理士 鏡元)

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